【第8回】スタッフの主体性を引き出す3つのポイント
より良いクリニックをつくるために大切なこと
米国の心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した「単純接触効果」と呼ばれる法則があります。良好な関係を築きたい人と、何度も会ったり、話を聞いたり、と接触回数が増えることで、印象が良くなり、親しみが増すという効果のことです。
先生は日頃、スタッフの話を聞く機会を、どれくらい取られているでしょうか。
先生がスタッフの話を聞く機会を増やすことで、良好な関係を築けるだけでなく、「三人寄れば文殊の知恵」という言葉もあるように、患者様に関して、クリニックに関して、本人や他のスタッフに関して、情報や気づきや意見が集まります。
患者様は先生と接する診療時間以外もクリニックに滞在しているので、先生が、その全ての時間を把握することは難しいことです。
例えば、
- お支払いの時の患者様の態度が普段とは、なんとなく異なっていたこと
- 患者様の奥様がいつもは一緒に来ているのに、その日は来ていなかったこと
- 新しく掲示した案内のポスターを見ている人が多かったこと
このように、受付のスタッフでしか気づけない些細なことや、特定の場面を見ていたスタッフにしか分からないことがあります。
また、スタッフに関しても、同様に全てを把握することは難しく、例えば
- 家庭の事情で悩みがあり、退職を考えているスタッフがいること
- 最近、子供の体調が優れずに、心配しているスタッフがいること
- あるスタッフ間で、良い人間関係ができておらず、ギクシャクしていること
といった、スタッフ本人から先生には言いにくいことや、スタッフ同士でしか、気がつきにくいことがあります。
サプリメントを例にとれば
- サプリメントのポスターを興味深そうに見ていた患者様がいたこと
- パンフレットを持ち帰った患者様がいたこと
このような情報は、待合室にいる患者様を見ることができる、スタッフにしか気が付かないことです。
先生がスタッフから話を聞く機会をつくることで、こうした情報を得ることができたら、どのような工夫やアイデアにつながるでしょうか。
ポスターを見ていた方やパンフレットを持ち帰った方に対しての対応方法を、先生とスタッフで話し合うきっかけとなるかもしれません。
その時の対応方法として、
- カルテに、その情報を記載しておくこと
- 患者様に「ご興味があれば次回説明しますね」と一声かけること
などを決めておけば、次回診療の際、サプリメントについて、患者様と話すきっかけをつくることができるかもしれません。
そして、スタッフは、自分が先生に話したことが、サプリメントの購入につながった時には、患者様やクリニックの役に立てたという実感を得ることができ、気づきや意見をさらに積極的に伝えていきたいと思うでしょう。そして、患者様に対しての意識も益々高まっていきます。
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