【第5回】栄養素やサプリメントにはエビデンスが無い?
栄養素やサプリメントにはエビデンスが無い?
医師・歯科医師の先生など、医療に携わる方とサプリメントに関してお話しすると「栄養素の補給やサプリメントが、病気の治療や予防に役立つという『エビデンス』はあるのですか?」という質問を受けることが多くあります。
このようなシチュエーションで期待されているのは製薬会社が医薬品の有効性を実証するために行なう様な「大規模な無作為抽出二重盲目試験」や複数の論文を検討した「システマティック・レビュー」と推察されます。
残念ながら、栄養やサプリメントの研究は、少人数の比較試験やコホート研究がほとんどで、なかなか医薬品と同じようなレベルの研究が行なわれていないのが現実です。
こうした状況を見て「サプリメントや栄養素にはエビデンスが無い」と判断されている方も多いことでしょう。
しかし、栄養素の働きはこの100年余り、生化学の分野で地道に研究が継続され、体内でどのようなメカニズムで働いているのかがどんどん明らかになっています。また、医薬品の開発もこうした生化学の研究に基づいて行なわれています。
つまり、栄養素の働きは医療の土台をなしており「エビデンス以前のお話し」とも言えるわけです。
さらに加えるなら、多くのビタミンやミネラル、脂肪酸、アミノ酸は医薬品としても存在し、どのような疾患に有効なのかが明記されています。
サプリメントの効果を検証する研究はポジティブなものとネガティブなもの、結果がまちまちで矛盾することも多く、この点を指摘して「サプリメントの効果は不明」と評価されてしまう状況も見かけます。
しかし、実際にサプリメントの製造や販売に携わる立場からすると、研究に使用されたサプリメントの品質や性能はどうだったの?と疑問を抱いてしまうのです。
例えば
- サプリメントにはきちんと、表示通りの栄養素が含まれていたの?
- 信頼出来る原料を選んでサプリメントを作ったの?
- 栄養素以外の副材料の顔ぶれや品質は大丈夫?
- 胃できちんと崩壊し、溶けていたの?
- 製造後、どのくらい経っていたの?
- 保管や輸送は、しっかり管理されていたの?
といったことが気になります。
残念ながら、世の中には不誠実な製品も多数存在していて、サプリメントの性能や品質は玉石混淆。こうしたことにも注意を払わないと、サプリメントの効果を判断する研究は出来ないはずなのです。
「おそらく、そこまで配慮していない研究も多数あるだろう」と考えると、結果がまちまちなのは当たり前のことと考えられます。つまり結果がまちまちだから、サプリメントには効果が期待出来ないと考えるのは早計ということです。
はっきり申し上げて、世の中には「摂取する方が体にマイナスなサプリメント」もありますから。。。
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