患者さんへの食生活指導の難しさ。
そして、日本人の栄養状態はあまり良くないという事実。

生活習慣病の改善や予防には食生活の改善が必要です。しかし、栄養や生化学の話を「難しい」と感じてしまったり、良い食材を入手する方法を知らない患者さんも多く、健康維持・予防サポートにはハードルが存在しています。一方、現実の食生活では外食や中食市場が拡大。加工食品や出来合の総菜、外食店利用頻度が増加した結果、微量栄養素が欠乏し、添加物などのせいでミネラルの吸収を妨げられ、日本人の栄養状態はあまり良くありません。塩分や糖分・脂肪分の過剰摂取に対抗するためにも、できれば新鮮でミネラル豊富な野菜や果物を食べてほしいと思います。しかし、そのためには生鮮品市場にも取り組むべき課題があるのです。

知っていますか？
日本はオーガニック後進国

有機農産物JAS格付実績の推移（国産・外国産）

残念ながら、海外ではオーガニック農産物が増加しているにもかかわらず、日本では停滞しています。農家の高齢化に歯止めがかからず、このままでは安全なオーガニック生産物がなくなるだけではなく、日本の環境を次世代につなげない可能性も否定できません。ドクターとオーガニックを営む生産者が手を組むことは、消費と生産を拡大し日本を海外並みのオーガニック比率に引き上げる活動に一翼を担うことになるという一面も持っています。