前回、[栄養素の説明書⑦]でナイアシン(ビタミンB₃)についてご紹介させていただきました📢✨
今回は、同じ水溶性ビタミンの「ビオチン(ビタミンB₇)」についてご紹介いたします!
ビオチンの説明書
ビオチン(Biotin:C10H16N2O3S)はヒト体内で腸内細菌により合成されますがその量はわずかなため食品からも摂取する必要があります。
アミノ酸、糖の代謝や糖新生、脂肪酸合成などに関わる酵素の「補酵素」として利用され、ビタミンB₇,ビタミンH、コエンザイムRとも呼ばれています。
ビオチンの体内での働きと効果
ビオチンは、生体内では、ほとんどがたんぱく質と結合した状態で存在します!
消化の過程でたんぱく質が分解すると、ビオチンが遊離し、主に空腸から吸収されます。
医薬品では湿疹、接触皮膚炎、尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療が適応症例として処方されており、以下のような論文も報告されています。
糖尿病
インスリン非依存性糖尿病患者43人の血清ビオチン濃度は、64人の健康な対照被験者よりも有意に低く、空腹時血糖値と逆相関していました。
ビオチン 1日9㎎を経口投与したところ、血清インスリンレベルに変化がなく、患者の高血糖を矯正し、ピルビン酸と乳酸の血清レベルが正常範囲に低下しました。(Masaru MAEBASH et al.,J. Clin. Biochem. Nutr., 14, 211-218, 1993)
爪
71人の患者が2.5mgのビオチンを摂取したところ、より硬くて強い指の爪で明確な改善を示し、治療がまったく効果がないと考えた患者はいませんでした。(G L Floersheim Z Hautkr,1989 Jan 15;64(1):41-8.)
ビオチンを摂るときの注意点
ビオチンは通常の食生活では過不足になることはありませんが、欠乏すると脱毛や食欲不振、吐き気、うつ症状、乾燥鱗片皮膚炎などがあります。
ビオチンの食事摂取基準は以下の通りです。
ご一緒に摂っていただきたい栄養素
ビタミンB 群の1つであり、単体で摂取するよりもビタミンB群としてバランスよく摂取した方が良いと考えられています。
ビオチンは水溶性の栄養素ですので、煮る・ゆでるといった調理をおこなうと、煮汁に流出してしまうため、
スープにするかそのまま食べられる食材を選ぶのが良いです!
また、多量の生卵を摂取した場合には、卵白中のアビジンという物質がビオチンと結合して吸収を妨げ、欠乏することがありますので、生卵の多量摂取を慢性的に行うのはやめましょう🙅💦
含まれている食品
ビオチンは以下の食材に多く含まれています。
食事でバランスよく摂取することをお勧めしていますが、普段の食事で摂取できていない場合や、不足が気になる場合は補う分だけでもサプリメントを活用されることをお勧めいたします!
ゆーみん
管理栄養士