先日、当社主催の認知症予防セミナーを開催しました。
そこで、参加いただいた先生からご質問をいただきましたので、今回は「認知症予防セミナーで寄せられた質問への回答」をご紹介します💡
【質問内容】
食品として摂取した「コリン」、「ホスファチジルコリン」、「α-GPC(アルファグリセロホスホコリン)」は、体内でアセチルコリンになるのでしょうか?
【回答】
ラットでの研究ですが、 放射性物質でラベルを付けたα-GPCを 経口投与した場合の、脳内への α-GPC の取り込み量が調べられています。
その結果、視床下部、皮質、海馬(記憶に深く関わる)への蓄積濃度が 明確に上昇したようです。
コリンやホスファチジルコリンについても経口摂取したものが 脳内へ移行されることが示されています。
また、 薬理学的にアセチルコリンの伝達を遮断する薬であるスコポラミン処理によるラットの記憶障害に対して、ホスファチジルコリンとα-GPCは改善効果を示す事が分かっています。
摂取したコリン、ホスファチジルコリン、α-GPCがアセチルコリンになるのかについて明確には分かっていませんが、これらは脳内に取り込まれ、 アセチルコリンの分泌に関わっていると考えられます。
皆さんは、α-GPCという成分をご存知ですか❓
コリンやホスファチジルコリンは知っていても、α-GPCについて知っているという方は少ないかもしれません。
α-GPCは、コリンの前駆体であり、母乳にも含まれている成分です。
認知機能の改善や成長ホルモンの分泌促進、老化抑制、運動機能改善などの効果が期待されています。
油に溶けやすいホスファチジルコリンとは異なり、水に溶けやすい性質を持つため門脈から効率よくスピーディーに肝臓に取り込まれます。
そのため、ホスファチジルコリンと比べてとても吸収されやすいのが特徴です。
α-GPCとホスファチジルコリンの構造を図で説明するとこんな感じです⬇
コリンやホスファチジルコリンについては、過去のブログで取り上げているので、是非、御覧ください😊
<コリンやホスファチジルコリンについて取り上げたブログ>
・コリンはビタミン?
・コリンとイノシトール
(管理栄養士 さ)
<参考>
・ 脱アシルリン脂質:グリセロホスフォコリンの調製と中枢賦活機能剤の開発(オレオサイエンス 第7巻 第10号(2007) )