前回は、先日発表された「国民健康・栄養調査」の結果概要についてご紹介いたしました。
今回は、各食品別の摂取状況についてご紹介いたします。
●穀類の摂取量は緩やかに減少
平成18年の10年間で見ると、男性は約20g、女性も約30g程度、平均摂取量が減少しています
男女での平均摂取量も平成18年には約450gでしたが、平成28年の調査では422.1gと、初めて430gを下回るという結果になっています。
また、前回のブログでは野菜の摂取量が減っていることをご紹介しましたが、果物の摂取量も減少しているという結果も出ています
果物の男女合わせた平均摂取量は、平成28年に初めて100gを下回りました。
●魚介類の摂取量が減少
魚介類の摂取量も年々減少傾向にあります
平成18年から比べると、男女合わせた平均摂取量も約2割、1日平均で15g程度減少しています。
●肉類の摂取量は増加。差が開く結果に!
今までは減少した食品をご紹介してきましたが、食品の中でも摂取量が年々増加しているのは「肉類」です。
年々減少している魚介類と比較すると、このように1日平均摂取量の差が開いてきています
肉類も魚介類も、主菜(タンパク源)であることは変わりませんが、含まれる栄養素は異なります。
例として、脂肪酸の種類としては、肉類は飽和脂肪酸、魚介類は多価不飽和脂肪酸を多く含む傾向があります。
日本人の食事摂取基準では、飽和脂肪酸の目標量として「(エネルギー量に対して)7%以下」、n-3系不飽和脂肪酸は目安量として「(成人男子)2.0-2.4g」「(成人女子)1.6-2.0g」を設定しています。
n-3系不飽和脂肪酸には、抗炎症作用や血液凝固抑制作用、血圧低下作用などの効果が期待できると言われており、積極的な摂取が勧められています。
例えば、平均摂取量として減少した分の15gのブリ(焼)を摂取すると、n-3系不飽和脂肪酸を「560mg」摂取することが出来ます
ただし高齢者の女性における低栄養傾向の者の割合は、この10年間で有意に増加していることから、単純に「肉類を減らす」ということではなく、肉類や魚介類をバランスよく摂取するように意識されると良いと思います
実際に買い物へ出かけてみると、野菜や果物は旬のもの以外は価格が高い傾向がありますし、肉類の方が魚よりも割安に感じます。
その為、ついつい価格のお手頃な何種類かの野菜や肉類に偏ってしまう、ということはあるかと思います。
しかし、バランスよく食べるためには野菜はもちろん、果物や魚介類も積極的に摂取する意識を持つことが大切です
ぜひ、今回の国民健康・栄養調査の結果も参考に、野菜や果物、魚介類などの不足を意識し、毎日のお食事に取り入れるようにしてみて下さい
(あ)