当社では、先月より還元型コエンザイムQ10配合サプリメントを発売しておりますが、みなさんは還元型コエンザイムQ10がどんな栄養素なのかをご存知でしょうか
そこで今回は、「還元型コエンザイムの働き」などについて簡単にまとめたいと思います
還元型コエンザイムQ10の働き
コエンザイムQ10 (CoQ10) は肉類や魚介類などの食品に含まれており、生物界に広く存在する (=ユビキタス) キノン構造をもつ物質であることから、ユビキノンとも呼ばれる脂溶性のビタミン様物質です。
酸化型(ユビキノン)と還元型(ユビキノール)がありますが、体内で働くのは還元型であり、「電子伝達系における補酵素 (コエンザイム) としてのエネルギー(ATP)産生」と「抗酸化作用」が主な働きです
コエンザイムQ10の「10」という数字は、構造中のイソプレンという化学構造の繰り返し数を表しています。
1つのイソプレンは5個の炭素から成り、10個のイソプレンで炭素の数が合計50個であることからコエンザイムQ10をコエンザイムQ (50) と表示することもあります
ユビキノンとユビキノールの構造式
体内では、コエンザイムQ10のベンゾキノン環の部分はアミノ酸のチロシンから、イソプレン側鎖の部分はアセチルCoAを経由してメバロン酸から合成されます。
このイソプレン側鎖が合成される過程はコレステロール合成系と共通しているため、脂質異常症の薬であるスタチン系薬剤を服用している場合にはコエンザイムQ10の不足が心配されます。
酸化型コエンザイムQ10(ユビキノン)と還元型コエンザイムQ10(ユビキノール)の違いについては下記の記事もご覧ください。
コレステロールの合成経路
また、体内のコエンザイムQ10の量は加齢やストレスによっても減少してしまいます
コエンザイムQ10が減少するとエネルギーを作り出しにくくなってしまうことから「疲れやすい」「だるい」などを感じやすくなり、体内で作られる量では不十分だと考えられています
特に多くのエネルギーを必要とする心臓の働きにはコエンザイムQ10が重要です
一般的に、医薬品やサプリメントに配合されているコエンザイムQ10は酸化型ですが、酸化型は体内で還元型に変換する必要があります。
しかし、この変換する能力も年齢や病気などで低下してしまうことから、変換の必要のない還元型で摂る事が勧められ、実際に、酸化型よりも還元型コエンザイムQ10の方が吸収も働きも良いことが分かっています
こんな人にお勧め
還元型コエンザイムQ10の補給をお勧めしたい方は以下の通りです
◆疲れやすい・ストレスを感じている
◆スタチン系薬剤を飲んでいる
◆心臓病や高血圧症がある
◆片頭痛がある
◆ドライマウス(口腔乾燥症)がある
◆アンチエイジング(体力低下予防)したい
なお、コエンザイムQ10は脂溶性のため、空腹時よりも脂肪の多い食事と共に摂取するとより吸収率が高まると言われます。
サプリメントなどで補給する場合には、食中や食後の摂取がお勧めです
当社では、まずサプリメントを飲む場合にはマルチビタミン&ミネラルをお勧めすることが多いですが、疲労感が強い方は還元型コエンザイムQ10を合わせて摂ると、より体感が得られやすいかもしれないですね
(さ)
㈱カネカ サイト