春は、引っ越しや転職で生活環境が変化したり、卒入学、歓送迎会などの行事で多忙になったり、気温の急激な変化があったりなど様々な要因があり「うつになりやすい季節」だと言われています
そんな「うつ」の対策に「オメガ3系脂肪酸が有効である」という論文を発見したため、今回はその論文をご紹介します
うつ対策にはオメガ3系脂肪酸が有効
「オメガ3系脂肪酸であるEPA、DHAの摂取が、大うつ病性障害※のリスクを低下させるようだ」という内容のオランダにあるアムステルダム大学の研究者らによるメタ分析の報告です
※大うつ病性障害とは…
精神症状または身体症状を5つ以上含む期間が2週間以上持続する場合に分類される。
症状は、失望落胆または絶望(抑うつ気分)、または通常の活動における関心や喜びの喪失(無快感症)を含んでいなければならない。
その他の精神症状としては、無価値観や罪悪感、死や自殺について繰り返し考える、集中力の減退、体重や食欲の変化、エネルギーの喪失、疲労、睡眠障害(不眠、過眠、早朝覚醒)などがある。
目的
この10年間のいくつかのメタ分析によると、大うつ病障害に対するオメガ3系脂肪酸の有益な効果が示されており、大うつ病性障害の治療にオメガ3系脂肪酸を役立てることが提案されている。
しかし、それらのメタ分析の根拠の質や出版バイアス※に関して批判的な意見がある。
そこで、オメガ3系脂肪酸によるうつ病への効果は、EPAまたはDHAの服用か、それらの割合、摂取期間、参加者の年齢、抗うつ剤服用者の割合、大うつ病障害の重症度、論文の出版年、研究の質などに左右されるのか、その影響を調べるためにメタ解析を行う。
※出版バイアスとは…
肯定的な研究結果がそうでない研究結果に比べて出版されやすいために起こる結果の偏りのこと。
方法
オメガ3系脂肪酸が大うつ病性障害の抑うつ症状に効果を示したという内容の、1233名の大うつ病障害の患者を含む13報の無作為化比較対照試験を選び出し、メタ分析を行った。
結果
・高容量のEPA、抗うつ剤使用者の割合の多さ、論文の出版年の早さが、オメガ3系脂肪酸投与による良い結果と有意に関係していた。
・オメガ3系脂肪酸の効果は、既に報告されている抗うつ剤のメタ分析による効果に匹敵するものであった。
・抗うつ薬を服用している患者を対象にEPAを高濃度で補充した研究でより効果が高かった。
まとめ
オメガ3系脂肪酸の摂取は大うつ病障害リスクを低下させる可能性がある。
まとめ
脳に良い栄養素と言えばEPAよりもDHAなので、うつ病にもDHAの方が効果がありそうですが、EPAの方がうつ病に良いとは驚きでした
うつ症状がある場合には、EPAがたくさん含まれている青魚を積極的に摂るのが良いかもしれないですね
EPAが多い青魚には、マイワシやサンマ、ブリなどがあります
青魚を毎日のように食べるのが難しい場合にはサプリメントを活用するのもひとつの手ですよ
※栄養素であっても医薬品と相互作用の可能性がありますが、すべての医薬品で栄養素との相互作用が調べられているわけではありません。
もし医薬品を飲まれている方がサプリメントなどで栄養補給する場合には、主治医や調剤薬局の薬剤師さんに飲み合わせを確認し、主治医の管理下で様子を見ながら栄養補給するのが安心です。
(さ)
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=53608&-lay=lay&-Find
メルクマニュアル
http://merckmanual.jp/mmpej/sec15/ch200/ch200b.html
消費者庁 サイト
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/A258-ippan.pdf
文部科学省 サイト
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365516.htm