前回は「水素って何に良いの?」と題して水素の効果についてまとめました
さて最近では、炭酸水は水素と並んで人気がありますが、みなさんは炭酸水にどんな効果があるのかをご存知でしょうか
そこで今回は、「炭酸水の摂取による体への効果」について簡単にまとめたいと思います
●炭酸とは
炭酸水の略で、二酸化炭素(CO2)が水に溶けてできる弱い酸です。
化学式はH2CO3で、水溶液としてしか存在できません。
実際、溶けた二酸化炭素うち1%程度が炭酸(H2CO3)を生じているにすぎず、大部分は弱く水和したCO2として存在しています。
そのため、炭酸水から生じる気体は炭酸ではなく水に溶けた二酸化炭素が空気中に出てきているものです
●炭酸水の働き
炭酸水を摂取する時に期待される効果は、正確には炭酸ではなく二酸化炭素による効果が大きいですが、二酸化炭素を取り入れることで得られる体への良い効果は主に血流アップです。
以下に、二酸化炭素がどのように血流を良くするのかをまとめます
【二酸化炭素の血流アップ効果】
炭酸水から発生した二酸化炭素が体内に入ると、酵素によって水と反応して重炭酸イオン(HCO3‾)と水素イオン(H+)が生じます。
重炭酸イオンは体内のpH調節に関わっているだけでなく、尿素回路でオルニチンからシトルリンを生成する時に必要なカルバミルリン酸の生成にも重要な働きをします
また、水素イオンは血液中のpHを下げますが、pHが下がることでアルギニンから一酸化窒素を合成する酵素(一酸化窒素合成酵素:NOS)が活性化され、一酸化窒素の合成が増えることで血管が拡張します。
<二酸化炭素の血流アップまでの流れ>
このように、炭酸水の血流アップ効果は、一酸化窒素による血管拡張作用によって起きているのです
前々回のブログでは一酸化窒素についてまとめました(一酸化窒素(NO)の効果)が、血流に関しては一酸化窒素はとても重要ですね
※健康のためにと炭酸水をたくさん摂取されている方がいます。
水に二酸化炭素だけを溶かしている炭酸水なら問題ありませんが、ビールやジュースなどの様にアルコールや糖質などが含まれる炭酸飲料については大量摂取はお勧めできません
血流を良くするには、余分なものが入っていない炭酸水や一酸化窒素の合成に関わるアルギニン、シトルリン、オルニチンなどの摂取がお勧めですよ
(さ)
<参考>
・コトバンク
・東京核医学技術研究会HP
・一目でわかる代謝 第2版(メディカル・サイエンス・インターナショナル)
・一目でわかる 医科生化学(メディカル・サイエンス・インターナショナル)
・レニン・アンジオテンシン系による血圧降下機構の解明(https://kaken.nii.ac.jp/pdf/2012/seika/C-19_1/34509/22590093seika.pdf)