月経は、生理痛の度合いや症状の個人差が大きく、その辛さを周囲から理解してもらえず苦しんでいる方もいます😨🩸
今回は、最近悩んでいる方が増加していると言われる「月経困難症」について紹介します!
月経困難症とは
月経困難症は一般的な月経痛と区別をしており、月経中または月経直前から強い下腹部痛や腰痛が始まり、
「月経痛がひどく、起き上がることができない」
「月経の症状のために学校や会社を休まざるをえない」
などの月経期間中に日常生活を送ることが困難になる状態を言います。
よくある月経困難症の症状は、腹痛、腰痛、悪心(気持ちが悪くなる)、骨盤痛、嘔吐、貧血、頭痛、食欲不振などで、PMS(月経前症候群)の場合は月経がはじまると同時に症状が消失しますが、月経困難症は月経がはじまっても続くという特徴があります💦
2004年に行われた「働く女性の健康に関する実態調査(女性労働協会)」では、16~50歳未満の女性1,906名のうち28.6%の女性に強い月経痛があると報告されています。図:女性労働協会 働く女性の健康に関する実態調査 2004年より
左:16~49歳の女性の月経痛の程度
右:年齢別月経痛の程度
4人に1人が1か月のうちの約1週間も強い痛みに悩まされているようですね😨💦
月経困難症の原因
月経困難症は以下の2種類に分類され、原因はそれぞれ異なります。
原発性(機能性)月経困難症
月経困難症の多くが原発性で、思春期から発症する可能性があります。
痛みを伴う激しい子宮収縮を促す物質(プロスタグランジンF2αやプロスタグランジンE2)の多量分泌が主な原因といわれています。
続発性(器質性)月経困難症
月経困難症の中では少数で、成人から発症すると言われています。
子宮内膜症や子宮筋腫などのような身体的な異常が原因であると考えられています。
【豆知識】低用量ピル服用の注意!
低用量ピルはOC錠とも呼ばれ、女性ホルモンバランスを調節するくすりです。
生理痛や月経周期が乱れている方は、一度は主治医にすすめられたことがあるのではないでしょうか?
服用することによって、月経困難症をはじめとする、月経によるお悩みの改善につながるため、処方されることが多いですが、まれに副作用として血栓症が現れるという報告があります。
中には、重篤な血栓症を患わった方もいるため、厚生労働省から注意喚起が行われています。
服用については、既往歴や服薬状況をお伝えの上、主治医とご相談ください⚠!
月経困難症に関わりのある食生活と栄養素
月経困難症の多くを占める原発性月経困難症については栄養素との関連について調べられてきています。
関わりがあると考えられている、
食生活
・朝食
朝食を毎朝食べる学生の方が、そうでない学生に比べて月経困難症の重篤度が低いことが分かっています。
・人工(合成)甘味料
人工甘味料であるアスパルテームの除去を数か月続け、月経困難症の症状が緩和された例があります。
栄養素
・オメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸は炎症や月経困難症の原因にもなるプロスタグランジンの生成を抑える働きがあります。
実際に、2か月間魚油を1日2.5g摂取する試験を行った結果、症状の改善がみられています。
・ビタミンE
オメガ3系脂肪酸と同様、ビタミンEにもプロスタグランジンの生成を抑える作用があります。
ビタミンEを1日150~500IU摂取することで、2か月目から症状の改善がみられたそうです。
・マグネシウム
1日365㎎のマグネシウムを1回の月経サイクルのうち10日間を5周期摂取したところ、月経の回数を負うたびに痛みの緩和がみられたそうです。
・ビタミンB1
インドの試験で、1日100㎎のビタミンB1を3か月間摂取した女性のうち95%で症状の改善が現れたそうです。
また、食事以外に日常生活で気を付けることは
・無理をしない
・規則正しい生活
・十分な睡眠と休養
・体を冷やさない
・リラックスできる時間を作る
なども大切です!
月経時の体調不良の症状がひどい場合には、 単なる月経痛と自分で決めつけないで、医療機関を受診するようにしましょう。
女性の皆さんが毎日快適な生活を送れますように☺💓
ゆーみん
管理栄養士