栄養素や機能性表示食品の効果(科学的根拠)を調べる際には研究論文を読みますが、「コホート研究」「症例対象研究」など様々な研究デザインを目にします🔎😳
今回は 「研究デザインの種類と内容」について紹介します!
研究デザインとは?
研究とは「ある事柄に対して実験や観察、調査などの手段を通して取得した事実から専門的な知識を元に考察し、一定の見解を得ること」を指します。
研究の種類には、「データ統合型研究」「介入研究」「観察研究」「記述的研究」などがあり、総称として「研究デザイン」と呼び、それぞれ有効性を示す信頼度に違いがあります。
研究デザインの種類
信頼度が高いとされている順に、6種類の研究デザインを解説します!
システマティックレビュー
データ統合型研究であり、報告する研究者自身はヒトや動物を使って研究・実験しません🤨
すでに発表されている論文を厳正な基準をもとに集めて結果を比較・統合する研究です。
ひとつひとつの研究結果が矛盾している場合でも、たくさんの研究結果を解析することで、より総合的な評価が可能なため、最も信頼度が高いと言われています。
無作為化比較試験(RCT)
ランダム化比較試験とも呼ばれる研究で、名前の通り研究の対象者を2つ以上のグループに無作為に分け(無作為化)、治療法などの効果を検証する研究デザインです。
無作為化により検証したい方法以外の要因がバランスよく分かれるため、公平に比較できると言われています。
コホート研究
観察研究のうちの縦断研究のひとつで、前向きコホート研究、後ろ向きコホート研究、コホート内症例対照研究と、3種類あります。
調査時点で、罹患の可能性として考えられる要因を持つ集団(曝露群)と持たない集団(非曝露群)を追跡し、両群の罹患率または死亡率を比較する方法です。
コホート研究では、どのような要因を持つ者が、どのような疾病に罹患しやすいかを究明し、かつ因果関係の推定を行うことができます。
症例対照研究
コホート研究と同様に観察研究のうちの縦断研究のひとつで、ケースコントロール研究とも言います。
疾病の原因を過去にさかのぼり、目的とする疾病(健康障害)の罹患群とその疾病に罹患したことのない群をに分け、特定要因との関係を両群比較します。
比較的簡単に調査が行え、追跡調査が不要という長所がありますが、過去のことなので記憶に頼るため対象を選択することが困難な場合があります。
横断研究
観察研究のひとつで、追跡などはせずに、アンケートやカルテの調査により因子との関連性を調べることができる研究方法です。
調査対象集団における有病割合を得ることができ、時間をかけて追跡しなくても要因と結果との関連を推定できます。
ただし、一時点における調査であるため、時間的な前後関係の評価が難しく、因果関係を証明する能力はコホート研究や症例対照研究よりも低いです。
症例報告
記述的研究であり、観察研究にも含まれます。
単一あるいは複数の患者の病気の診断や治療経過を詳細に報告したものになります。
症例の特徴を詳細に記述し、一般的な事実になる前の仮説を提唱したり、特別な事例の発表を通じて一般化しきれない個別事象に光を当てることを目的としています。
新しい治療法が発見される契機となることもあるが、対照群を設定するのが困難で、仮説を検証することはできないとされています。
まとめ
研究デザインには様々な種類があり、それぞれルールがあります🧐
文字におこしてみると一見難しそうですが、案外単純なものが多いです!!
研究デザインを意識しながら文献を読めば、情報の確かさについてある程度は自分で判断できるようになります!
調べたい内容があるときの参考にしていただければ幸いです。
ゆーみん
管理栄養士