
当社は、先生方に安心してご使用いただけるサプリメントを提供するため、信念を持って商品開発に取り組んでおります。また、原料を供給してくださる企業も、確かな技術力と強い信念のもと、高品質な原料を生み出しています。
そうした企業の取り組みや技術力を、先生方にご紹介したいと思います。
今回は、還元型コエンザイムQ10(CoQ10)の世界的サプライヤーである株式会社カネカの澤下仁子様に、インタビューのご協力をいただきました。
なお、澤下様には4月22日(火)無料オンライン・セミナーに講師としてご登壇いただきます!
目次
原薬GMP認証工場で製造される高品質な還元型CoQ10
熊谷:
実は一番気になっていることですが、還元型CoQ10の原料製造において、他社が追随できない理由は何でしょうか?
澤下様:
CoQ10の製造には酵母を使っております。弊社は80年以上にわたって発酵技術を培ってきておりますので、そういった技術力を日々高め、維持してきていることが他社様との差別化に繋がる理由の一つと思います。
また、原薬GMPの認証を獲得している工場で、高品質の食品グレードの還元型CoQ10を製造できることも強みだと思っています。
さらに、還元型CoQ10は非常に酸化されやすい素材ですが、それを酸化させない弊社独自の製造技術の高さが、他社様と差をつけることになっているのではなかろうかと思っております。
井村:
医薬品の原薬も一緒に作っている点は、お医者さんにとっても安心感が違うと思います。
澤下様:
そうですね。原薬としての酸化型も、還元型も、医薬品の製造管理体制にきちんと則って製造しております。
国際規格のISO22000:食品安全マネジメントシステムの認証も獲得してございますし、HACCP:食品安全の国際的な管理システムに基づいて、全ての工程で安全性を維持するところにも相当な注意を払い取り組んでおります。
つまり、「医薬品レベルの品質保証」と「食品としての厳しい品質管理」、この両面から安全・安心な素材をご提供できるように努めております。
確かな研究力で正しい情報を消費者に提供する
井村:
CoQ10は2004年にすごい大ブームになりましたよね。
澤下様:
そうですね。2004年当時は信州大学に着任してまだ日が浅く、難病(特定疾患)領域の研究をメインテーマに取り組んでいましたが、還元型CoQ10を用いたアンチエイジング研究をしたいなと思い始めた頃でもあります。
井村:
ちょうどその頃は、私が健康食品やサプリメントに関わり始めた時期なので、当時のCoQ10ブームをすごく覚えています。
どこもかしこもCoQ10、いろんな健康番組でCoQ10が紹介されていて、原料メーカーの出荷量よりも商品の方が多いんじゃないかってぐらいで、本当は入ってないんじゃないの?とか、まことしやかに言われていました(笑)
そのときは、CoQ10といえば単純に「抗酸化」が特徴だったと思います。
当時は活性酸素という言葉が広まり始めたばかりでしたので、「抗酸化」というキーワードが特に注目されていました。
今はそれ以外にも、睡眠、お肌、集中力など、様々な機能が明らかになってきていますよね。その進展にとても驚いています。
澤下様:
【前編】還元型CoQ10の生理的機能で申し上げたように、還元型CoQ10は細胞を元気にしますので、「いきいき元気にお過ごしになりたい方」におすすめしたいというのが幣社の大きな願いです。
そのためには、どういった効果があるのかを一つずつ検証していかなければならないと思います。
効果があるのか、ないのかという情報を、きちんと正確に世の中に伝えることが、サプリメント原料を提供しているメーカーの責任であると思います。
井村:
一つひとつ検証していくという姿勢が、とても素晴らしいことだと思います。
澤下様:
酸化型よりも還元型CoQ10の方が薬理効果が高いということを実証し、それらを世の中に提示できる、そのような研究開発技術を持っていることも弊社の強みのひとつだと思っています。
発信力を含め、正確なエビデンスをご提供するというところですね。
私が社内で活躍できるのは、エビデンスを獲得し、それらを発信するところですので、そこに一生懸命に取り組んでいます。
熊谷:
自社の原料を用いて研究し、エビデンスとなるデータを集めているところに信頼感を感じています。
澤下様:
ありがとうございます。
例えば、社内だけで研究が完結した場合に、世間から「結果の”いいとこ取り”をしているのでは?」といった疑いの目を向けられるリスクが考えられます。
ですから、外部の、公平で公正な目を持っている研究機関に研究を委託することも積極的に行っています。
先生方にご相談する際には、「良いデータをください」ではなくて、「真実を見つけてください」と申し上げています。
「ご専門とされておられる研究領域において、得られた結果・結論が本当に正しいと言えますか?」という視点で研究を進めていただきたいと、いつもお願いしています。
自信を持って良いデータだというのであればぜひ教えていただきたいですし、たとえ、良くない結果であっても正直にご報告いただきたいので、「真実をしっかり教えてください」と、ご研究いただく先生とのご面談のたびに申し上げています。
井村:
当社のお客様は主にお医者さんや歯医者さんなので、そういうのは伝わると思います。
科学者同士というか。
澤下様:
間違った情報(嘘)を世の中に発信することが一番いけないことですので、弊社社員全員、正しい行いをする、その思いは同じです。
熊谷:
そうですね。信じて摂取した人を裏切ることになりますからね。
澤下様:
そうです。それこそ健康被害にまで至ってしまいますと、被害に遭われた方が大変つらい状況になってしまうのはもちろんですが、結局のところ、弊社もつらい思いをします。
そういったことが起こらないように、本当に「安心・安全」ということを常に意識して行動しています。
普段の食事で摂っているCoQ10の量は?
熊谷:
アメリカの許認可申請のお話を聞いて思ったのですが、私たちは毎日の食事からどのくらいCoQ10を摂っているのでしょうか?
澤下様:
日本人の標準的な食事例として、食品成分表等を参考に作った標準食というものがあり、そこから一日にどれだけの量のCoQ10を摂取しているかを算出した研究論文があります。
その研究では、1日あたり、平均して大体5 mgぐらいの摂取量でした。多く食べることができたとしても、10 mgに達するかどうかです。
また、ヨーロッパでも同様の研究報告があり、北欧の標準的な食事でも、やはり、せいぜい5〜10 mg摂れるかどうかという結果でした。
一方で、国際コエンザイムQ協会はじめ、著名なCoQ10研究者らの共通理解としましては、大人の場合、一日100 mgのCoQ10の摂取が勧められています。
健康維持にはそのぐらいの量を補給した方が良いと言われています。
熊谷:
普段の食事からの摂取量は5 mg程度となると、推奨量の100 mgには遠く及ばないですね。
必然的にサプリメントで、ということになりますね。
澤下様:
そうですね。お食事から推奨量すべてを摂るのは限りなく不可能なことだと思います。
井村:
特に多く含まれている食材などはあるのでしょうか。
CoQ10が多く含まれる食材
澤下様:
やっぱりお肉、そして、青魚にも多いですね。
実は、お野菜にも含まれていて、ブロッコリーには割と多く含まれています。
井村:
へー!魚とか肉とか動物に多いというイメージでしたので、ブロッコリーは意外でした。
澤下様:
そうですね。お肉の一例として、焼き鳥のハツに多く含まれています。
心臓はエネルギーをたくさん必要としますので、そういった部位にCoQ10が多く含まれています。
ただ、だからと言って、それを毎日毎日、何百gも食べるわけにはいきません。
熊谷:
お肉でも生とか焼いたりとか、食べ方は色々ありますよね。
やっぱり焼いてしまうと還元型CoQ10は酸化型になってしまうのでしょうか。
澤下様:
還元型CoQ10の化学的な性質から考えますと、調理法によっては酸化型としての摂取が多くなってしまうと思います。つまり、食品から還元型を積極的に摂るには、また一つハードルが上がるということですね。
一方で、日本人はお魚をお刺身やお寿司として生で食べたりしますので、そういった意味では、お魚からの摂取はおすすめかもしれません。
井村:
なるほど。日本人は、他の国の人よりは、還元型でCoQ10を摂れているかもしれないですね。
澤下様:
ハマチには割とたくさんの還元型CoQ10が含まれています。私がハマチ好きなので、一番しっかりと覚えています(笑)
アジにも還元型CoQ10が多く含まれていますし、サバやイワシにも総量としてCoQ10が多く含まれています。サバやイワシの生食はなかなか厳しいとは思いますけど(笑)
なお、日本人は還元型CoQ10を摂りやすい食習慣かもしれませんが、そうは言っても標準的な食事量から見ると、推奨量からは随分少ないと考えられます。
井村:
一日の普段の食事から5〜10 mgしか摂れていないことは正直初めて聞きました。
私はサプリメント業界に長くいますが、CoQ10を普段の食事からどのくらい摂れているのか今まで聞いたことがありませんでした。
すごく貴重なお話を聞きました。
澤下様:
ご存知と思いますが、CoQ10は体の中で生合成されています。
ただし、体内量のどれだけのCoQ10が生合成から、そして、どれだけの量が食事から賄われているのか、その評価はまだ十分には行われていません。
生理機能の加齢変化を考慮しますと、おそらく、体内での生合成量は加齢とともに少なくなっていくと考えています。
また、コレステロール値を下げるお薬のスタチンを一例に挙げますが、このお薬はコレステロールの生合成過程をブロックして薬効を発揮しています。
実は、CoQ10の生合成は、コレステロールの生合成過程の途中までを利用しています。
CoQ10の生合成が利用している経路にスタチンのターゲットが含まれますので、スタチンを服用なさるとCoQ10の生合成量も減らしてしまいます。
この事実から、スタチンを服用されておられる方には、是非、CoQ10の摂取をご検討いただきたいと思っております。
井村:
当社は医療機関向けにサプリメントをお届けしていますので、スタチンを使う側の先生方もお客様の中には結構おられると思います。
そういった情報はしっかりお伝えしていきたいと思います。
澤下様:
例えば、スタチンによって引き起こされる副作用のひとつに筋肉の痛みがありますが、還元型CoQ10を摂取いただくと症状が緩和したという研究報告があります。
スタチンによる副作用の軽減効果に関しましては、4月22日(火)無料オンライン・セミナーでぜひ、お話しさせていただきたく思います。
還元型CoQ10はどのような方におすすめ?
井村:
あとは具体的な事例について是非お聞きしたいです。
還元型CoQ10はどのような方におすすめの素材なのか。
特に当社の場合、医療現場で使っていただくことが多いので、医療現場での使用例があれば教えていただけますか?
澤下様:
「いきいき元気に過ごしたいと望んでいらっしゃる方」に摂取いただきたいという考えが弊社の願いです。
健康食品としては、お疲れを感じていらっしゃる、ストレスを感じていらっしゃる、眠りの質があんまり良くないとお感じである、ちょっと肌が乾燥気味に感じる、お口の乾きが気になってしまう、また、認知機能を維持したいといったお考えなど、どれもこれも「いきいき元気」に繋がるわけですが、具体的な症状や状態としましては、今申し上げたものを挙げられると思います。
医療現場では、還元型CoQ10は血管の健康にとても有効な成分ですので、やはり心機能の補助として活躍します。
さらに、先程申し上げたとおり、スタチンを服用されていらっしゃる方の副作用の出現を抑制、あるいは、副作用を軽減するということを目標に摂取いただきたいと考えています。
そのほかには、例えば、慢性疲労ですね。本当に疲労を強く感じていらっしゃる方に、です。
また、ドライマウス、歯周病をお持ちの方にもよいと思います。
最近の研究としては、多系統萎縮症の患者様や、妊娠を希望しておられる、不妊治療を受けていらっしゃる方にも効果があるとの報告が蓄積されてきています。
また、美容目的にも良いと思われます。
以上の分野・領域でのご使用をご提案できると思っております。
まとめますと、「疾患を発症しにくい体づくり」に役立てていただきたいです。
還元型CoQ10のおすすめの摂取タイミングは?
熊谷:
いろいろ症例が出ましたが、飲むタイミングにおすすめはあるのでしょうか?
澤下様:
朝でも昼でも夜でも摂取される方が飲みやすいタイミングで結構です。
ただ、油なじみが良い成分ですので、お食事後30分以内くらいまでに摂っていただくことをお勧めしたいです。
空腹のときよりも食後のほうが吸収がよいというデータがあります。
井村:
食後であれば別にどこでも大丈夫だよって話ですね。
こういった情報もお伝えできたらいいなと思います。
カネカさんからドクターの先生方へメッセージ
井村:
最後に、ぜひこの記事をご覧になられるドクターや患者さんに向けてのメッセージをお願いいたします。
澤下様:
還元型CoQ10は、「いきいきとお元気にお過ごしになりたい方」や「疾患を発症しにくい体づくりを目指していらっしゃる方」に、ぜひ役立てていただきたい素材です。
この願いに加え、どんな些細なことでも結構ですので、還元型CoQ10について疑問をお持ちでしたら、弊社にどうぞお気軽にご相談いただきたいと思います。
なお、弊社は「カネカ 健康カガク・ラボ(外部サイト)」というコンテンツをご用意しております。
そこでは、素材の成り立ち、作用メカニズム、どういったこと(症状や状態)に効果があったかという学術エビデンスも掲載してございます。
そちらもご覧いただけますと、とても嬉しいです。
井村:
本当に長時間ありがとうございました。
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4月22日(火)無料オンライン・セミナー、乞うご期待!
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本当は具体的な事例や医薬品のCoQ10に関する踏み込んだ話題もお聞きしていますが、残念ながら記事にはできないため、詳細はぜひ「4月22日(火)無料オンライン・セミナー」にご参加いただいてお聞きください!