日本人の食事摂取基準と5つの指標


日本人の食事摂取基準は、日本人がどのくらい栄養素やエネルギーを摂取するべきか国が定めたものです🇯🇵
今回は「日本人の食事摂取基準と5つの指標」についてご紹介します。

日本人の食事摂取基準って何?

「健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである」とされています!

昭和 44 年に厚生省(当時)において「日本人の栄養所要量」を策定以降、5年に1度、改定を行っています。
平成 11 年の第 6 次改定から名称を改め、現在は「日本人の食事摂取基準」として策定され
2023年現在では、2020年版が最新のものになっています🧐✨

5年ごとに変更が行われていますが、2020年版は、栄養に関連した身体・代謝機能の低下の回避の観点から、健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防及び重症化予防に加え、高齢者の低栄養予防やフレイル予防も視野に入れて策定を行うことが追加されています!

(詳しくは:日本人の食事摂取基準(2020年版)について

日本人の食事摂取基準は、34種類の栄養素について、目的別に「推定平均必要量」「推奨量」「目安量」「目標量」「耐容上限量」の5つの指標が設けられています。

豆知識:なぜ5年おきに更新なの??

実は、5年おきに策定しなければないかの記載はありません。
しかし、5年ごとに改定することで、最新の研究成果を、反映させることが出来る仕組みになっているようです😳!
諸外国を見てみると、定期的に食事摂取基準を改定している国は多くなく、”エビデンスの蓄積度”の具合に応じて改定されており、アメリカ・カナダ食事摂取基準のビタミンD、カルシウムの基準値が14年ぶりに新しくなりました✨

日本人の食事摂取基準の指標の見方

日本人のからだに合わせ、34種類ある栄養素に年齢別やライフスタイルによって指標が定められています。

推定平均必要量

「日本人の50%において、性別・年齢ごとにその量を摂取すれば、栄養素・エネルギーが不足になることはない」と定められた量が推定平均必要量です。
逆に言うと、残りの50%の日本人は必要量を満たさない量ということになりますので、摂取不足を回避するために設定されています

推奨量

「日本人の97〜98%において、それぞれの栄養素の必要量を満たすと推定される量」と定められています。
推奨量は、ほとんどの人の摂取不足を回避するために、推定平均必要量を用いて計算されたものです。
仮に満たしていてもエネルギー・栄養素不足が必ず防げるわけではありません。

目安量

「推定平均必要量を設定するほどには十分な科学的根拠が得られていないもの」に設定されています。
言い方を変えると、少し根拠が弱いです。
疫学調査を行った結果、集団において良好な栄養状態を維持するのに十分な量となっています。

目標量

「生活習慣病の発症予防を目的として設定される値」です。
病気になるリスクを下げたり、栄養状態を改善したりするために、目標とするべき摂取量として定められています
目標量は摂取エネルギー全体に対するタンパク質・脂質・炭水化物それぞれのエネルギーの割合、食塩相当量、食物繊維の5つのみに設定されています。

耐容上限量

「習慣的に摂取しても健康障害をもたらすリスクがないとみなされる摂取量」のことです。

逆にいうと、耐容上限量を超えて栄養素を摂取すると、健康障害のリスクが高まると考えられます。

食事摂取基準を守ることに一喜一憂する必要はない

日本人の食事摂取基準は、習慣的な摂取量の基準値です。
つまり、短期間(例えば1日間)に摂取される栄養素量を示したものではありません
習慣的な摂取の期間を具体的に示すのは困難ですが、エネルギーや栄養素摂取量の日間変動※を観察した研究によると、1ヶ月間程度が目安と言われています📝
問題となるのは、長期間足りていない栄養素ですので、摂取量について難しく考える必要はありません。

※日間変動:ヒトは毎日異なる食事を摂取するため、摂取量が日々異なっている現象のこと

まとめ

食事摂取基準は、日本人の栄養や食事に関する基本的なガイドラインです。
したがって、管理栄養士 ・栄養士でな くても、食事摂取基準とは何か、どのようなものか知ってお くと、食と健康を考え実践するうえでとても有用な知識となります!
ヒトのからだは食べたもの (栄養素)でできていることを今一度思い出していただき、
そのもっとも基本的なガイドラインとしての『 日本人の食事摂取基準 』 についてご理解いただければと思います☺✨

日本人の食事摂取基準(2020 年版)

国立健康・栄養研究所

この記事の著者

ゆーみん

管理栄養士

株式会社ヘルシーパス 企画開発部 / ためになる栄養講座・ブログ・お問い合わせ担当

自分自身のアレルギーと偏食がきっかけで管理栄養士を志向。大学卒業後は給食委託会社に就職し介護食からスポーツ栄養まで幅広い食に従事。

読んでいただいた皆さんに「ためになった」「面白かった」と思っていただけるようなブログづくりを心掛けています。

自己紹介ブログ ⇒ 新しいメンバーの自己紹介(管理栄養士:荒木)

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