腰や膝、肩などの関節の痛みやこわばりにお悩みの方が多くいらっしゃると思います😭💦
そもそも、関節痛の原因にはどういったことがあるのでしょうか?
今回は「関節痛の原因とおすすめの栄養素」を紹介します!
目次
■関節の仕組み
体の関節部分は関節軟骨で覆われ、軟骨はコラーゲン線維やプロテオグリカンなどでできています。
プロテオグリカンには高い保湿性があり、このおかげで関節が受ける衝撃が吸収されたり、骨と骨の摩擦を防ぐことができます。
■関節痛の原因は?
「炎症による痛み(関節炎)」と「炎症以外による痛み」に大別され、病気が隠れていることがあります🏥
炎症によって関節が痛む時は、腫れ、熱、発赤も見られ、血液検査では、炎症マーカーであるCRPや赤血球沈降速度(血沈)の値が上昇していることが多いです。
子供の場合は「成長痛」の可能性もありますが、関節炎の痛みが続く時は関節が壊れていくリスクがあるため、早めにかかりつけの医師に相談しましょう!
関節の痛みが起こる病気の例は以下の通りです。
<関節炎を引き起こす病気の例>
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・シェーグレン症候群
・多発性筋炎
・強皮症
・ベーチェット病
・化膿性関節炎
・痛風
・脊椎関節炎
<炎症以外による関節痛を引き起こす病気の例>
・線維筋痛症
・変形性関節症(滑膜の炎症を伴う場合もある)
また、天気が崩れるときに慢性の痛みが増強する「天気痛」というものがあります☔😖
これは、天気の移り変わりによる気圧や気温の変化が原因であると言われています。
■効果が期待される栄養素
関節に痛みがある場合、軟骨の材料や炎症を抑える働きがある栄養素をとると痛みが緩和されることがあります😋✨
おすすめの栄養素は以下の通りです!
●N-アセチルグルコサミン
N-アセチルグルコサミンは体内でも合成され、軟骨を構成する成分であるグリコサミノグリカン(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)になる。
体内で利用される割合は通常のグルコサミンよりも約3倍高く、グルコサミンと同量摂取した場合は、N-アセチルグルコサミンの方が効率よく利用されると言われている。
●コンドロイチン硫酸
コンドロイチン硫酸は、軟骨に際立って多い成分であるプロテオグリカンの構成成分であり、軟骨の耐圧性に役立っている。
コンドロイチン硫酸とその分解生成物は、軟骨細胞と滑膜細胞において抗炎症反応を発揮し、さらに軟骨細胞におけるプロテオグリカン合成を高めてコラーゲン分解作用を低下させると考えられている。
●ナイアシン(ニコチン酸アミド)
ナイアシンには抗炎症作用があり、変形性関節症患者がニコチン酸アミドを摂取すると、関節の柔軟性が向上して疼痛や腫脹が緩和すると言われている。
人によっては鎮痛薬の服用回数を減らすことができる可能性がある。
●ビタミンC
関節軟骨中にはコラーゲンが含まれており、コラーゲンの合成に関わるヒドロキシラーゼ(プロリルヒドロキシラーゼ、リシルヒドロキシラーゼ)はビタミンCを必要とする。
●鉄
関節軟骨中にはコラーゲンが含まれており、コラーゲンの合成に関わるヒドロキシラーゼは鉄を含有しているため、鉄が欠乏している場合には鉄も補う必要がある。
●MSM(メチルスルフォニルメタン)
自然界に広く存在する有機硫黄化合物。変形性関節症 患者がMSMを経口摂取すると、疼痛や関節の働きなどの膝関節炎の症状を軽減するとされている。
●SAMe(S-アデノシル-L-メチオニン)
変形性関節症の痛みの軽減に役立つ。非ステロイド系 抗炎症薬(NSAIDs)と同等の効果が期待でき、副作用も少ない。
しかし、痛みが楽になるまで1カ月ほどかかると言われている。
アミノ酸の一種であるメチオニンから体内で合成される。
●ピクノジェノール®※
ピクノジェノール®の、抗炎症作用によって関節炎症状を緩和させる効果が期待されている。
また、 関節組織成分でもあるコラーゲンやヒアルロン酸の生成能力を高め、関節の軟骨の再構成にも役に立つことが示唆されている。
※ピクノジェノールはホーファーリサーチ社の登録商標です。
まとめ
膝などの関節の痛みは、日常生活の行動に支障をきたし、外出や運動量が減るため活動量が低下します。
その状態が長期間続くと筋肉が萎縮し、結果として肥満や、フレイルにつながり悪循環が起こってしまいます👿
関節痛を伴う疾患であっても、初期段階であれば適度な運動や食生活の改善などで、症状を遅らせること、痛みを軽減させることができます。
少しでも違和感を感じたらかかりつけの医師に相談しましょう!
独立行政法人 国立病院機構 宇多野病院 関西脳神経筋センター サイト
佐藤 純 Spinal Surgery 29(2)153-156,(2015)
平田 耕造 繊消誌 Vol.36No.1(1995)12-17
長岡 功,順天堂醫事雑誌 59巻2号(2013) 152–162
イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
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