妊婦中はコーヒーや紅茶などカフェインの入った飲み物の摂取がより気になるのではないでしょうか?👩👶☕
最近ではおいしいカフェインレスやノンカフェインのコーヒーもあり、妊娠中もコーヒーを楽しんでいる方もいらっしゃると思いますが、 どのくらいカフェインをとっても良いのか把握している妊婦さんは少ないと思います。
今回は『妊娠中のカフェイン摂取と目安量』について紹介します!!
そもそもカフェインとは?
コーヒー豆・茶葉・カカオなどに多く含まれる苦みのある天然成分の1つです!
もともとは植物が昆虫に食べられないようにするために作られた物質のひとつと考えられているようです🐞🌿
コーヒーや茶葉から抽出されたカフェインは、清涼飲料水などの苦味料としても使用されているため、コーヒーや緑茶、チョコレートのほかにも、眠気覚ましのガム・清涼飲料やいわゆるエナジードリンクに含まれています!
カフェインは、眠気や倦怠感・頭痛の軽減、血管拡張作用などを持ち、日本薬局方にも収録されている立派な医薬でもあるのをご存じですか?
眠気の抑制や頭痛への効果を見込んで、カフェインが配合されているものがあります💊!
また、適切に摂取すれば、血糖値のコントロールやがん予防などの効果があるという科学的データもあります。
(【論文紹介】コーヒーの摂取タイミングと血糖値の関係)
(【論文紹介】1日1杯のコーヒーでも大腸がん予防)
過剰なカフェイン摂取が与える妊婦への影響
妊娠中はホルモンの影響によりカフェインの代謝が低下するため、過剰に摂取したカフェインとその代謝物は胎盤を通り羊水や胎児に移行します👶💦
胎児は肝臓での代謝機能が未発達であるため、体内にカフェインと代謝物がとどまりやすいです。
また、カフェイン摂取は子宮や胎盤の血管を収縮させる作用のあるカテコラミンの分泌に繋がり、流産や胎児発育不全、低出生体重児出生、食物アレルギーなどを引き起こすリスクが考えられます。
可能であれば妊娠初期から授乳期の間は意識して控えていただいた方が良いですね💦
カフェインは妊娠中どれだけ摂取していいの??
過剰に摂取すれば害になりますが、絶対に摂取してはならないものではありません!
妊娠前によく飲んでいたコーヒーや紅茶を制限することはストレスにつながる可能性もあります😨💦
日本では公式の推奨量は出されていませんが、世界保健機構(WHO)をはじめ欧米各国の規制当局や関連学会が1日のカフェイン摂取量を200〜300㎎までに抑えるように推奨しています。※体格や遺伝などにより個人差があります。
1日当たりのカフェイン摂取許容量(推奨)
世界保健機構(WHO)をはじめ欧米各国の規制当局や関連学会が示す推奨量を裏付けるエビデンスも報告されており、381件の研究に基づくシステマティックレビューでは、健康な妊婦であれば1日300㎎までのカフェイン摂取は妊娠や分娩に影響しないと結論付けられています。
(DanieleWikoff et al.,Food and Chemical Toxicology Volume 109, Part 1, November 2017, Pages 585-648)
食品中のカフェイン濃度
コーヒーや紅茶などカフェインを含む嗜好品は具体的にどのくらい飲んでいいのか気になるところですよね☕🍵
カフェインを含む嗜好品のカフェイン量を下記にまとめました。
食品中のカフェイン濃度 (参考値)
コーヒーは2~3杯、紅茶や緑茶は10杯ぐらいであれば、1日のカフェイン摂取許容量を上回ることはなさそうですね!
眠気覚まし清涼飲料やエナジードリンクなどに含まれるカフェイン量は商品によって異なるため、注意して摂取するようにしましょう。
また、日本人においては4人に1人が、カフェイン150mgを摂取した後に、不安感が高まる等の害が現れる可能性が高い遺伝子を持っていることが示唆されています☕😰
カフェインを摂取して、気分や体調が悪くなる場合はすぐに摂取をやめ、かかりつけの医師に相談しましょう🏥👨⚕️
まとめ
妊娠中の方の中にはつわりがひどくて「カフェオレしか飲めない」という方もいるそうです💦
妊娠中は何かと制限が多い生活を過ごすことになりますが、その中でストレスなく快適に過ごせるアイテムを見つけられると良いですよね!
カフェインレスやノンカフェインのコーヒーやお茶などもあるので、代用してみるのもいいかもしれません。
1日のカフェイン摂取許容量を把握したうえで、上手に調整しましょう(●’◡’●)!
Nestlé, Coffee & Health (Vol.10) 2015 Nov.
中村 貴子 筑波大学技術報告 31: 33-38, 2011
石本 人士 臨床婦人科産科5 2022 Vol.76 No.5 p423-428
ゆーみん
管理栄養士