リーキーガット(Leaky Gut)症候群は、最近盛んに言われ始めるようになった言葉ですが、多くの疾患のベースにもなると考えられています😣💦
今回は『リーキーガット症候群』について紹介します。
リーキーガット症候群とは
そもそもリーキーガット(Leaky Gut)症候群は、Leaky(漏れている)Gut(腸)という意味で、Increased in testinal permeability(腸管壁浸漏症候群 -ちょうかんへきしんろう-)とも呼ばれます。
腸は栄養素を効率的に吸収する一方で、腸内細菌などが体内へ入ることを防ぐために、腸管上皮細胞によるバリア機能を有しています。
リーキーガット症候群は、このバリア機能が低下して腸壁の透過性が上昇することで、腸を透過しない未消化物や老廃物、微生物成分などが生体内に漏れ出す状態のことをいいます😰
リーキーガット症候群の原因
リーキーガット症候群を引き起こす原因は、様々な要因が複雑に絡まり合っています。
<主な原因>
●糖質の過剰摂取
●グルテン(小麦)やカゼイン(乳製品)による影響
●食品添加物の摂取
●過度の飲酒
●慢性的なストレス
●薬(抗生物質やステロイド剤など)の長期服用 など
また、リーキーガット症候群が多くの不調や疾患のベースになっているとも言われており、下痢や便秘、膨満感、腹痛など胃腸症状はもちろん、めまいや神経過敏、疲労などの不調が続きます。
そして、原因不明のままこれらの症状を放置することで、セリアック病(グルテンに対する遺伝性の不耐症)や糖尿病、炎症性腸疾患、認知症、骨粗しょう症を含む慢性疾患にいたるとされています😱💭
腸内環境を整える栄養素
リーキーガット症候群になるとビタミンB群やミネラルの吸収が悪くなるため、それらを補給することが重要です。
また、腸内環境を整えるという点から、下記の栄養素も役立つと報告されています🧐
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜を構成する上皮細胞をつくることに関わりその機能維持に欠かせない栄養素です。
免疫作用など全身の健康維持を支えており、欠乏することで上皮細胞の機能が大きく損なわれ、感染症や炎症につながります。
また、ビタミンAは腸内フローラを介さず身体に直接働きかける「バイオジェニックス」に分類されています🌸
ビタミンD
免疫力や骨の健康に良いとされているビタミンDですが、腸内環境を整える効果が期待されています。
全米6都市の567名の健康な男性(平均年齢84歳)の便と血液検体を分析した結果、
腸内細菌叢の多様性が活性型ビタミンDレベルの高さと相関していることがわかりました。
また、12種類の特定の細菌が、活性ビタミンDの多い男性の腸内細菌叢に頻繁に出現することが示唆され、この12種の細菌のほとんどが今腸活で話題の「酪酸生成菌」でした。
L-グルタミン
生体内の中でもっとも多く存在するアミノ酸です。
腸管のエネルギー産生に対してはグルタミンの寄与が最も大きく、腸管にとって重要なエネルギー源になっています。
外科術後などの侵襲期には体に蓄えられているグルタミンが動員されて消化管に到達し、消化管のエネルギー源やその修復に利用されるといわれています。
また消化管から生体内へのバクテリア移行を抑えるなどの効果が認められているようです。
乳酸菌・ビフィズス菌
腸内細菌には、善玉菌、日和見菌(ひよりみきん)、悪玉菌と呼ばれる3種類があり、腸壁の粘膜にびっしりと花畑(フローラ)のように生息しています。
これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。
しかし、バランスが崩れてしまうと悪玉菌の動きを抑えることができず、腸の粘膜に傷がついて、細胞と細胞の間の結合部分が緩み不要なものが生体内に漏れ出します。
体内の善玉菌が減らないよう、乳酸菌やビフィズス菌を積極的に食事で補うことがポイントです✨
まとめ
リーキーガットの原因は複雑で、治療法もまだ研究途上といえますが、注目度は高く、海外ではリーキーガット対策サプリメントも登場しています。
栄養素やハーブによるサポートも役に立つ可能性がありますが、まずは食生活の改善や生活習慣の見直しとともに、適度な運動、気分転換などでストレスを溜めないように心がけるとよいでしょう😊✨
藤田長久 体の不調は「腸もれ」が原因 株式会社幻冬舎 2021年3月19日
Robert L. Thomas et al., Nature Communications volume 11, Article number: 5997 (2020)
味の素株式会社 アミノ酸ハンドブック 新谷滋記 2003年4月1日
ゆーみん
管理栄養士