関節の痛みには「グルコサミン」のイメージが強いと思いますが、中でも「N-アセチルグルコサミン(NAG)」は様々な効果が期待できると注目されています✨
今回は「N-アセチルグルコサミンの効果」について紹介します!
N-アセチルグルコサミン(NAG)とは
NAGは、単糖の一種でヒトの体にとって不可欠なアミノ糖※1です。
※1アミノ糖:単糖にアミノ基(‐NH2)がついたもの
ヒトの体内では関節成分の軟骨や関節液、皮膚、眼球、脳などに含まれており、細胞と細胞をつないだり細胞間の情報を伝達する成分です。
また、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸を生成し、様々な効果が期待されています!
グルコサミンとNAGの違い
名前にグルコサミンとついていることから、一般的なグルコサミンとNAGの特徴を下記にまとめました。
グルコサミン
体内では糖タンパク質のような複合糖質のN-アセチル誘導体として存在しています。
一般的なサプリメントなどに配合されているグルコサミンはグルコサミン塩酸塩であり、天然にはほとんど存在しません。
体内に吸収された後はNAGに変換してから利用されるため、利用割合が低いことが知られています😨💦
<体内での変化>
NAG
上記の図からもわかる通り、体内ではグルコサミンから生成されます。
NAGは、元々体内に存在するものと同じ形であるため、摂取後にそのまま利用することができます。
そのため利用割合は通常のグルコサミンよりも約3倍も高いということが分かっています🤩!
NAGの効果
グルコサミンといえば関節に良いという印象が強いですが、今では幅広い分野で注目されています。
美容効果
乾燥肌に悩んでいる女性39名に、NAG500mg含有乳飲料、ヒアルロン酸50mg含有乳飲料、プラセボ乳飲料のいずれかを摂取させ8週間後の肌の状態を調べたところ、NAG含有乳飲料摂取群で最も肌の乾燥所見の改善度も高く、肌の水分量も改善されました。
乾燥肌で肌荒れ傾向にある女性22名を、NAG1000mg含有食品摂取群とプラセボ群に分け、8週間後の肌の状態を調べたところ、NAG含有食品摂取群では肌の乾燥を有意に改善し、肌の水分量を増加させる働きが見られました。
また、肌の滑らかさや鱗屑の改善効果も確認されており、NAGの継続的摂取は美肌効果につながると考えられます😍✨
関節のお悩み
膝関節に違和感のある20歳〜70歳の男女を、 NAG500㎎摂取群(49名)とプラセボ群(49名)に分け、12週間後のJOAスコア※2などを比較しました。
その結果、NAG500㎎摂取群は摂取12週間後においてプラセボ群と比較し、有意な症状の改善が認められました💪
<JOAスコアの改善>
久保村大樹 応用薬理 99 P71-77 2020 表を筆者一部修正
そのほかに動物実験の段階ではありますが、ピロリ菌を抑制し胃の炎症を抑える効果や腸内環境を整える効果も期待できるとされています🐁
※2JOAスコア:日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準とも言い、関節の疾患の判定基準として用いられる評価表
まとめ
NAGの摂取量の目安は明確に定められていませんが、ヒト試験の結果を考慮すると1日500〜1000㎎程度の摂取が良いと考えられます。
NAGを摂取できる食品は、カニやエビといった甲殻類、乳製品などがあげられますが、食品の含有量が元々少ないので適量を摂取することは難しいです💦
最近はいろいろな種類のNAGのサプリメントや含有食品が登場していますので、自分に合った価格や形状を選ぶことができます!
いつまでも健康で若々しい体や肌を維持するために、上手に摂取できるように意識してみてはいかがでしょうか😊🍀
Shibata K .et,al Aesthetic Dermatologo,18,91-99 2008
梶本修身 .et,al 新薬と臨床J.New Rem.&Clin.Vol 49 P539-548 2000
久保村大樹 応用薬理 99 P71-77 2020
ゆーみん
管理栄養士