
お腹の調子を整えるプロバイオティクス・プレバイオティクスについてはご存じの方も多いと思いますが、
少し前から話題のシンバイオティクスについてご存じでしょうか🧐?
今回は「シンバイオティクス」について紹介します!
シンバイオティクスとは
プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたもので、1995年に英国のGlenn R. Gibson博士らが初めて提唱し、「synbiotics」のカタカナ表記です。
「syn」には「一緒に」という意味があります。
腸内環境を整え、私たちの健康に良い効果をもたらしてくれる有用菌を含むヨーグルト、チーズ、キムチなどの「プロバイオティクス」と、
乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌のエサになる、オリゴ糖や一部の食物繊維などの「プレバイオティクス」を同時に摂取することで、
より効果的に腸内環境を改善し、健康増進に役立つと考えられています😊🌸
実は、プロバイオティクスとプレバイオティクスの組み合わせは、シンバイオティクスの概念が提唱される前から行われていました👀💥
臨床現場においては感染防御、炎症抑制などで効果を示しており、健康食品においては両者を組み合わせた食品なども販売されています!
シンバイオティクスの効果
プロバイオティクス・プレバイオティクスのみの報告は多いものの、健常者のシンバイオティクス効果についてはいまだ調べられていないものが多いです💦
しかし、さまざまな病気に対する予防策として研究が進んでおり、以下のような効果が期待されています。
【期待される効果】
・乳児から成人の便秘、下痢
・炎症性疾患
・精神疾患
・代謝性疾患(ダイエット)
・ 免疫賦活
(Thomas Gurry Microb Biotechnol. 2017 Sep;10(5):1070-1073.)
臨床現場で役立つシンバイオティクス療法
シンバイオティクス療法は、生菌のプロバイオティクスだけでなく、増殖因子であるプレバイオティクスを併用することで、より強力に腸内環境を整えることができます。
一例として、術後の感染症の予防・治療に抗菌薬は欠かせませんが、薬剤に耐性を持つ菌の存在や、薬剤が服用できない患者もいるため、より安心して治療ができるようシンバイオティクス療法が勧められています。
【高度侵襲外科手術】
肝移植症例において、①腸管内除菌群、②シンバイオティクス投与群、③加熱死菌乳酸菌投与群で術後合併症を比較検討した結果、退院までの術後感染症の発症率は、①群48%、②群13%、③群34%であり、腸内細菌叢を抗生物質で減らすのではなくシンバイオティクスで腸内細菌叢を保持する方が、感染合併症を減少させる可能性があることを示唆しました。
【外傷・炎症】
集中治療室(ICU)で機械的呼吸器を装着した敗血症患者をシンバイオティクス群と非摂取群に分け比較し、機械的人工呼吸器を装着した敗血症患者の合併症を軽減するか評価しました。
結果、細菌血症の発生率と死亡率は、グループ間で有意差はありませんでした。
しかし、腸炎・機械的呼吸器関連肺炎の発生率はシンバイオティクス群で低く、炎症抑制効果が期待できるとされています。
(Kentaro Shimizu et al., Crit Care. 2018 Sep 27;22(1):239.)
有用菌や有用菌のえさとなる食品やお薬を摂取するだけで、ここまで予防できちゃうのすごくないですか⁉⁉
シンバイオティクスの摂り方
腸内フローラに生息している菌の種類やバランスは一人ひとり異なるため、効果が期待できる菌も人によって違いますが、腸内環境を整えるには、毎日継続して摂ることが大事です。
例えば、ヨーグルト(乳酸菌やビフィズス菌)+きな粉(オリゴ糖)や、キムチ(乳酸菌)+ごぼう(食物繊維+オリゴ糖)など、方程式を覚えれば、アレンジも簡単です。
健康食品で簡単に摂取することも可能ですが、まずは毎日の食生活を見直してみてはいかがでしょうか?
また次回はシンバイオティクス レシピを紹介したいと思います!お楽しみに🤭💓
ゆーみん
管理栄養士