成人男性では約1mg、成人女性では約0.8mgの鉄が1日に損失しており月経がある場合は、さらに約0.5mgの鉄が損失しています。
今回は「鉄の種類と鉄の補給方法」について紹介します。
鉄の種類
まず、食品中に含まれている鉄は2種類あり、
肉や魚などの動物性食品に含まれている鉄を「ヘム鉄」
野菜や豆類などの植物性食品に含まれている鉄を「非ヘム鉄」といい、それぞれ特徴が異なります!
ヘム鉄
食品に含まれているそのままの形で吸収され、吸収率高い(15~25%)
鉄イオンがポルフィリンに囲まれており、胃壁や腸管を荒らしにくい
食べ物の影響を受けにくい
非ヘム鉄
還元物質や体内の酵素の働きを受けて吸収されるため、吸収率低い(2~5%)
鉄イオンがむき出しのまま吸収させるため、胃壁や腸管を荒らしやすい
食べ物の影響を受けやすい
体内の吸収率は、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも高いですが、非ヘム鉄は同時に摂取する栄養素によっては吸収率が高まります☝🧐
<お勧めの栄養素>
・動物性タンパク質
・ビタミンC
・クエン酸 など
鉄の主な摂取方法
鉄の摂取は主に3つの方法があります。
1つ目:造血剤(経口摂取)
鉄剤ともよばれますが、1回の摂取量で多くの鉄を摂取でき、保険診療で処方されるため、一番リーズナブルです💰
しかし、造血剤に含まれる鉄は「非ヘム鉄」であり、鉄の配合量が多い事から副作用が現れやすいといわれています😨💦
<主な副作用>
・胸焼けや吐き気
・下痢、便秘などの消化器症状
・倦怠感
・過敏症(発疹、かゆみ) など
2つ目:サプリメント
医療機関にかかることなくドラックストアなどで簡単に手に入りますが、保険診療適用外のため、薬よりも価格が高いです。
また、ヘム鉄は実際に配合されている鉄分の表示が分かりにくいことが多く、
小さな錠剤なのに多くのヘム鉄が含まれているようなサプリメントには注意しましょう🔍
3つ目:食事
日本人成人が1日の食事から鉄を摂取する量は、
成人男性:7.0~7.5mg
月経のある成人女性:10.5~11.0mg
(月経のない成人女性:6.0~6.5mg) が推奨されています。
食品に含まれている鉄が少ないため、1度にたくさん摂取することができません。
しかし、副作用なども気にすることがないため、意識すれば誰でも簡単に始めることができ、コストもかかりません🍳😋
<鉄が多く含まれる食材>
まとめ
貧血の診断は、主に「ヘモグロビン(血色素)」で判断され、
男性 13.5〜17.0g/dl
女性 11.5〜15.0g/dl 程度が正常値とされており、この値より低い場合は貧血となります。(※検査によって基準値が多少異なる場合があります)
貧血と診断された場合、副作用がないようであれば医師の指示に従い造血剤を摂取するのが一番症状の改善につながります。
しかし、副作用でどうしても服用できない場合は、サプリメントや食事で上手に摂取することが大事です。
また、鉄の摂取方法で迷っている方は、かかりつけの医師にご相談ください。
ゆーみん
管理栄養士