冬は空気が乾燥しているため手荒れが起きやすく、特に水仕事をする人は手が荒れがちです😓👐
最近では、感染症予防の ために1日に何度も消毒を行うことから、水仕事をしない人でも手荒れに悩んでいる方が多い印象です。
今回は「手荒れ対策に役立つ栄養素」について紹介します!
目次
手荒れが起きる原因
手荒れとは手湿疹の事を言い、主婦湿疹、異汗性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹などがあります。
皮膚の一番外側にある角質層は、皮脂、天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質(セラミドなど)のバリア機能により潤いを保っています。
一般的に皮脂膜の再生には約6時間かかりますが、手の平には皮脂腺がないことから、手の平の皮脂膜再生にはより長い時間がかかります💦
そのため、水(お湯)を使用したり、石鹸や合成洗剤を使う頻度が増えると角質層のバリアが壊れ、炎症が起きやすくなります。
さらに、消毒で使われる乾性アルコール製剤に含まれるエタノールには脱水作用があるため手荒れが起きやすくなり、アルコールが含まれない消毒薬であっても、アレルギータイプのかぶれによって手荒れを起こすこともあります。
ちなみに、主婦湿疹は主婦にできやすい手荒れですが、主婦だけでなく手洗いを頻繁にする人(医療従事者、調理師など)にもみられます!
荒れやすいのは利き手の中でも特によく使う親指、人差し指、中指の指先や指腹です。
冬は気温や湿度が低く、新陳代謝も下がるため手荒れが悪化する傾向があります😨💦
ハンドケア方法
手洗いや水仕事の後、速乾性アルコール製剤の使用後、入浴後などはスキンケア製品を塗布することで、肌の乾燥を防ぐことができます🤗✨
また、水仕事の際には薄い木綿の手袋をして、その上からビニール手袋をはめるという手袋の二重着用がよいと言われています。
ゴム手袋については、天然ゴムからできたものには「ラテックス」という成分が含まれ、かぶれや全身のアレルギー反応も起こすことがあります。
そのため、塩化ビニール製の手袋の方が安全で、ニトリルという合成ゴムの手袋もお勧めです。
手洗いについては、ハンドソープは手荒れを悪化させるため、固形石けんなどの手肌に優しい石けんを使用するのが良いです。
手に水分が残っていると乾燥の原因となるため、石けん成分はよくすすぎ落し、手の水分はしっかりと拭き取るようにしましょう☝😄
手荒れにお勧めの栄養素
手荒れ対策は、外側からの保湿だけでなく栄養補給によって内側からケアすることも大切です。
肌の潤いを保つために、水分の蒸発を防ぎ、肌の細胞の正常な新陳代謝や真皮を保つような栄養素の補給がお勧めです。
タンパク質(アミノ酸)
皮膚の材料となる。特にグリシン、リジン、プロリンは皮膚に特徴的に多く含まれるアミノ酸。
ビタミンA
正常な肌を作り出すために必要で、不足によって肌が乾燥しやすくなる。
ビタミンB群
アミノ酸や脂質などの代謝に必要で、肌の生まれ変わりを助ける。
ビタミンC・鉄
真皮の弾力を保つコラーゲンを作り出すために必要。
亜鉛
肌の新陳代謝に必要なだけでなく、ビタミンAの働きを助けて肌の健康を保つ。
α₋リノレン酸
真皮に多く含まれ、肌のバリア機能の維持に役立つ。
セラミド
表皮のバリア機能を保ち、蓋のような役割で水分の蒸発を防ぐ。
まとめ
現在の状況を見ても、まだまだ感染症対策が必要です。
手荒れは痛いだけでなく、食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌が多く存在する可能性もあります。
手の状態がよくない時は素手で加熱後の食品や調理器具に触れないように気をつけ、今回紹介した「ハンドケア」や「手荒れにお勧めの栄養素」を取り入れていただければと思います!
手荒れにならない手指衛生を継続していきましょう。
独立行政法人 労働者健康福祉機構 勤労者物理的因子疾患研究センター「理・美容師の手荒れ予防ガイドブック」、
東海大学大磯病院 医学豆知識 第22号(2012年)、
大阪信愛学院「看護学生の手荒れと予防策に関する検討」、
日本臨床皮膚科医会 サイト、
国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報、独立行政法人 、
国際協力機構 サイト、
菅原達也 日本栄養・食糧学会誌 第66巻 第44号 177-183(2013)、
H Vesper et al., J Nutr. 1999 Jul;129(7):1239-50、
Fu Z et al., Lipids.2001 Mar;36(3):255-60、
Silke De Spirt rt al., Br J Nutr. 2009 Feb;101(3):440-5、
イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
政府広報オンライン
ゆーみん
管理栄養士