前回、血液型について取り上げましたが、血液型ごとに罹りやすい病気があることをご存じですか🤔?
にわかには信じがたい情報ですが、世界各国で研究がおこなわれているそうです。
今回は「血液型で違う病気のリスク」について紹介します💉
血液型によるリスク
血液型といえば性格診断がおなじみかもしれませんが、関連性には科学的根拠がないことが分かっています。
しかし、血液型と病気のリスクに関する研究は、世界各国で数多くおこなわれており
特にO型が最も病気に対する抵抗力が強いという報告が多く、「O型と非O型」で比較することが多いようです。
血液型による病気のリスクの違いがいくつの報告されているため紹介します!
A型
●胃がん
1,089,022人のドナーを対象に最大35年間追跡した結果、688人の胃がん症例と5,667人の消化性潰瘍症例が発生しました。
ポアソン回帰分析では、血液型がA型の場合O型の人より胃がんのリスクが1.2倍高いことが確認されました。
Gustaf Edgren et al.,American Journal of Epidemiology 第172巻 第11号 2010年12月1日 p1280〜1285
●冠状動脈疾患・心筋梗塞
2005年から2008年の間に、冠動脈造影を受けた277人の被験者(45歳未満の男性と55歳未満の女性)を対象に
冠状動脈疾患および心筋梗塞のリスクとABO式血液型の関連を調べました。
結果、血液型がA型の患者は、非A型の患者よりも冠状動脈疾患および心筋梗塞のリスクが高いことが確認されました。
Lee Hsin-Fu et al.,Internal Medicine Vol51 2012 14号 p1815-1820
B型
●2型糖尿病
1990年から2008年の間に、82,104人の女性が追跡し、血液型に関連する2型糖尿病を発症するさまざまなリスクを調べました。
結果、血液型がB型の人はO型の人に比べて、1.2倍糖尿病になるリスクが高いことがわかりました。
また、Rh型ではRh+とRh-の間で差はなかったのですが、B型に限ってはB型Rh-よりもB型Rh+の方がリスクが高く、O型Rh-と比較するとB型Rh+の罹患リスクは1.35倍でした。
Guy Fagherazzi et al.,Diabetologia vol58, 2015 p519–522
●すい臓がん
107,503人の血液型データを収集した研究で、ABO式血液型と膵臓がんの発症リスクとの関係を個別に調べたところ、
10万人年あたりの膵臓がんの年齢調整発生率は、血液型がO型の人で27%に対しB型の人では46%と発症率が約2倍でした。
Brian M. Wolpin et al., Journal of the National Cancer Institute Vol101, 6, 2009, p424–431
AB型
●認知症
45歳以上の被験者約3万人を対象として記憶力・思考力の検査を実施し、認知機能障害と血液型の関係性を調べたところ
血液型がAB型の人は、思考能力の低下が起きる比率がO型の人よりも82%高かったです。
Kristine S. Alexander et al.,Neurology.83(14) 2014 p1271–1276.
O型
●十二指腸潰瘍
7072 人の十二指腸潰瘍患者及び健常者 26116 人について、約 60 万箇所の遺伝暗号の違いと十二指腸潰瘍のなりやすさの関係について調べました。
その結果、ABO 遺伝子は十二指腸潰瘍の原因であり、血液型がO 型の人では A 型に比べ 1.43 倍罹りやすいことが分かりました。
谷川千津 et al.,Nat Genet. 2012 Mar 4;44(4):430-4, S1-2.
まとめ
2021年5月ごろ、『新型コロナウイルスにかかった人の血液型を見ると、O型が一番少なかった』とのニュースを見ました。
実際に調べてみると、新型コロナウイルスに限らず、O型が一番病気に強くうらやましいと思いましたが、
「大きなけがを負ったO型の人は、O型以外の人と比べて死亡率が高い。」という調査結果も出ているようです😐
今後、どのような結論が出るかまだ分かりませんが、何型であってもリスクはありますので、これをきっかけに自分自身の健康にもさらに関心を持っていただければと思います。
※いずれも各血液型の統計結果によるものですので、その血液型以外の方が、絶対にかからないというわけではありません。
ゆーみん
管理栄養士