以前、[栄養素の説明書②]
今回は、同じ脂溶性ビタミンの「ビタミンE」
目次
ビタミンEの説明書
ビタミンEは天然と合成の2種類あり、合成に比べ天然の方が活性力があることがわかっています🧐
また天然のビタミンEには、α-(アルファ)、β-(ベータ)、γ-(ガンマ)、δ-(デルタ)トコフェロールと、α-、β-、γ-、δ-トコトリエノールの計8種類が存在します。
その中でも、α-トコフェロールが最も活性力が強く、体内で主に利用されます。
もし、ビタミンEを多く摂取したい場合は、配合量だけでなく原材料もチェックしてみましょう👀!
ビタミンEの体内での働きと効果
抗酸化作用が非常に強いビタミンEは、有害な過酸化脂質※の生成を抑制し、細胞の老化を防ぎます!
また血中LDLコレステロールの酸化を防ぐため、動脈硬化の予防にも効果的です🌟
※過酸化脂質:中性脂肪やコレステロールなどの脂質が酸化したもの
また末端の血管を広げ血行を良くする働きもあることから、血行障害によって生じる肩こりや頭痛、冷え性にも効果的と言われています。
その他にも、以下のような効果も報告されています。
不妊
ビタミンEは不妊治療で注目されており、男性不妊患者がビタミンEを経口摂取すると妊娠率が向上するそうです。
また、月経前症候群や月経困難の症状緩和にも効果が期待できるとされています。
心疾患
ビタミンE摂取の増加に伴って心筋梗塞(心臓発作)や心臓病による死亡のリスクが男女ともに低下することが示唆されています。
1日3~5 mg以下のビタミンE(α-トコフェロール)を摂取していた人と比べて1日7 mg以上のビタミンEを食事から摂取した人が心臓病で死亡する率が有意に下がったそうです。
白内障
眼球の水晶体でタンパク質が酸化されることでおこる白内障は、ビタミンEのような抗酸化物質の摂取によって酸化抑制が期待できるとされています。
まだ臨床試験の結果からは予防効果が認められていませんが、いくつかの観察研究では白内障の進行抑制効果を示唆する結果が得られています。
認知症
脳は、酸化ストレスに特に弱いと言われており、アルツハイマー型認知症患者の脳脊髄液※のビタミンEレベルは低いという研究報告があります。
認知症でない高齢者男性に、ビタミンEを摂取させたところ認識力テストのスコアと相関が認められたため、アルツハイマー型認知症との関連を研究中とのことです。
※脳や脊髄の周りを覆う液体のこと
ビタミンEを摂るときの注意点
とても重要な栄養素ですが、血中のビタミンE量が多くなり過ぎた場合、血液が止まりにくくなることが知られています。
しかし、摂取量の3分の2が便として排出されるため、脂溶性ビタミンの中では比較的体内に蓄積されにくく、通常の食事の範囲では過剰症はほとんど起こらないとされています。
また不足すると、貧血や肌の老化、冷え性、頭痛、肩こりの発症リスクが高まるといわれています。
ビタミンEの食事摂取基準は以下の通りです。
ご一緒に摂っていただきたい栄養素
ビタミンEは、油との相性が良い栄養素です!油と一緒がお勧めです🍳🍴
また、ビタミンC・ビタミンAとともに、ビタミンACE(エース)とも呼ばれることがあります。
一緒に摂ることで相乗効果が期待できる組み合わせで、強い抗酸化力を発揮してくれます☝✨
含まれている食品
ビタミンEは以下の食材に多く含まれています!
このほかにも、ビタミンEは様々な食品に多く含まれています!
食事でバランスよく摂取することをお勧めしていますが、普段の食事で摂取できていない場合や、
不足が気になる場合は補う分だけでもサプリメントを活用されることをお勧めいたします。
ゆーみん
管理栄養士