コロナ禍によりマスクをする人が増え、また、マスクの着用時間が増加しています😷
マスクは、自分自身のために化学物質や粉じん、花粉などから身を守るために着用することが多いですが、ごく最近では咳や くしゃみ といった飛沫に対する周囲へのエチケットとして着用が推奨されるようになりました。
その影響からか、口周りや顎、鼻、頬などの肌荒れが気になるという意見を聞く機会が多くなってきました。
そこで今回は、「マスクによる肌荒れ対策」についてまとめます💡
目次
なぜマスクで肌が荒れるの?
マスクによる肌荒れの原因には次のような理由が挙げられます⏬
刺激による皮膚炎
マスクによる擦れ(摩擦)や圧迫により刺激性皮膚炎を起こすことがある。
また、マスクに含まれる化学物質や不織布、金属ワイヤー、ゴムバンドなどにアレルギー反応や接触性皮膚炎を起こす人もいる。
皮膚の乾燥
マスク内の水蒸気でマスクをしている間は保湿されるが、急にマスクを外すことで蒸れた状態の皮膚から気化熱によって水分が蒸発し、肌に必要な水分が奪われて皮膚が乾燥してしまう。
雑菌の繁殖
マスク内の水蒸気や体温などによって雑菌が繁殖しやすくなり、ニキビなどの原因になることがある。
マスクによる肌荒れへの対策
①ちょうどいいきつさのマスクを着用する。
(マスクサイズとゴムの強さを調節する)
②長時間着用せず、マスクが湿っている場合はすぐに交換する。
(衛生条件が許すならば、2~3時間着用後に外すか、位置を適度に調整することで局部的な圧力を弱める)
③マスクのゴム部分にかぶれる場合は、頭の後ろで紐を結ぶタイプのサージカルマスクに変更する。
(耳切れを生じた場合、傷をフィルムドレッシングで保護する)
④アレルギー体質の人は着用前にマスクの材質を理解し、アレルギー成分を避ける。
⑤偽造・粗悪品の使用を回避する。
⑥口周りなどの汗や汚れをこまめに拭き取る。
⑦マスク装着前に保湿クリームなどのスキンケアを行う(保湿を心掛ける)。
⑧やさしく洗顔し清潔に保つ。
肌荒れ対策に役立つ栄養素
肌荒れ対策に役立つ栄養素には以下のようなものが挙げられます。
ビタミンA
正常な肌を作り出すために必要な栄養素。ビタミンAが不足すると肌が乾燥しやすくなる。
ビタミンB群
アミノ酸や脂質などを体内で代謝する際に必要となる。また、肌の生まれ変わりを助ける。
亜鉛
肌の新陳代謝に必要なだけでなく、ビタミンAの働きを助けて肌の健康を保つ。
血中や皮膚の亜鉛濃度が低いとニキビができやすく、亜鉛を補給することでニキビの治療に役立つと言われている。
α‐リノレン酸
真皮に多く含まれる脂肪酸。肌のバリア機能の維持に役立つと言われている。
セラミド
表皮のバリア機能を保ち、蓋のような役割で肌からの水分の蒸発を防ぐ役割をしている。
まとめ
マスク素材は一般的に、肌に対しては不織布のマスクよりもガーゼマスクの方が良いと言われています。
しかし、ガーゼマスクであったとしてもマスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります💦💦
特に夏場の高温多湿である環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるため、屋外で人と十分な距離が確保できる場合には、マスクをはずすようにするとよいでしょう。
また、マスクを着用する場合には強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛けることをお勧めします。
肌荒れが気になる場合には、上記のような肌荒れ対策をするだけでなく、肌に良い栄養素を意識して摂ることもお勧めです😄
※肌トラブルがなかなか治らない場合には、皮膚科を受診して診断・治療・対策をしましょう!
・東京医科歯科大学 医学部付属病院サイト
・中国総合研究・さくらサイエンスセンターサイト
・クリニックフォアサイト
・菅原 達也 , 日本栄養・食糧学会誌 第66巻 第44号 177-183(2013)
・H Vesper et al., J Nutr. 1999 Jul;129(7):1239-50
・Z Fu et al., Lipids. Vol, 36, no.3(2001)
・Silke De Spirt et al., Br J Nutr. 2009 Feb;101(3):440-5
さとこママ
管理栄養士