イチョウ葉エキスとは、秋になると紅葉するあのイチョウの葉から抽出されたものです。
様々な健康機能があり、「認知機能の一部である記憶力を維持する機能」が期待される機能性表示食品が販売されているなど、特に認知機能の改善で注目を集めています👀
今回は、「イチョウ葉エキスとはどんなものなのか?」についてまとめます😄
イチョウ葉エキスとは?
イチョウは中国原産で、世界で最も古い種類の樹木のひとつだと言われています。
種子の銀杏(ギンナン)は漢方薬で何千年も前から使われており、お酒のおつまみや茶わん蒸しの具材などの料理にも活用されています。
葉は有効成分を抽出したエキスが健康食品に配合されていますが、イチョウ葉エキスには以下のようなフラボノイド配糖体やテルペノイドが含まれています。
<イチョウ葉エキスに含まれる有効成分>
・フラボノイド配糖体(ケルセチン、ケンフェロール、イムラムネチンなどに糖鎖が付いたもの)
・テルペノイド(ギンコライドA、ギンコライドB、ギンコライドC、ビロバライド)
・プロアントシアニジン
上記のような有効成分には血液循環改善作用や抗酸化作用などがあり、記憶力向上、アルツハイマー病やその他のタイプの認知症の治療または予防、喘息、気管支炎、多発性硬化症、耳鳴りなどによいと言われています。
イチョウ葉エキスの効果
【認知症】
45歳以上のアルツハイマー型あるいは多発梗塞性認知症患者202名にイチョウ葉エキス120mg/日を52週間投与したプラセボ対照二重盲検試験を行ったところ、26週以降でADAS-Cog(認知力スコア)及びGERRI(日常生活及び社会行動スコア)がプラセボ群と比較して有意に改善したという報告があります(JAMA 1997;278(16): 1327-1332.)。
(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/418442)
【記憶】
78名の健康な若者を対象とした無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、イチョウ葉エキス120 mgを単回摂取させたところ摂取後の記憶の質に関するスコアが向上し、記憶力が改善される可能性があることが示されました(Hum Psychopharmacol.2007 Dec ;22 (8): 559 -66.)。
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17902186/)
【血流】
18~80歳の正常眼圧緑内障患者30名を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、イチョウ葉エキス80 mg×2回/日を4週間摂取させたところ、眼底組織の血流が増加し、血流改善作用がみられています(Korean J Ophthalmol 2011;25(5):323-328)。
(https://ekjo.org/DOIx.php?id=10.3341/kjo.2011.25.5.323)
注意点
イチョウの葉にはギンコール酸という成分が含まれ、それによって軽度の胃腸障害、頭痛、アレルギー性皮膚炎などが起こることがあります。
諸外国でのイチョウ葉エキスの規格品としては、「フラボノイド類を24%以上、テルペノイド6%以上を含有し、ギンコール酸の含有量が5ppm以下」という規格が設けられており、イチョウ葉エキスに含まれるギンコール酸の含有量はわずかであるため、一般的なイチョウ葉エキスの摂取量(120~240mg/日)では顕著な副作用の発現は認められていません。
しかし、イチョウ葉エキスは原料の種類によって成分の含有量や品質が異なります。 大量に摂取することは避け、イチョウ葉エキスを含む健康食品を選ぶ際には念のためギンコール酸の含有量に注意すると安心です。
まとめ
私たちの体は、日々自分が口にしている食べ物でできています。
そのため、健康的な毎日を送るためには、体を作り、動かし、調子を整える働きのある5大栄養素(タンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル)を食事でバランスよく摂ることがとても大切です💡
その上で、もし認知機能や学習能力などを維持、増進させる補助が必要な場合には、イチョウ葉エキスの配合された健康食品を活用するのもお勧めと言えそうです😄
さとこママ
管理栄養士