中島こうやクリニック院長 中島孝哉先生(以下、中島先生)は、日本抗加齢医学会認定医療施設の院長として予防医学に力を入れておられます。
感染症専門医でもあり、大学在籍中は「肝炎ウイルス」「HIV」「HTLV-I」などの血液由来ウイルスの感染対策に取り組んでおられました。
前回配信したインタビュー「中島こうやクリニックの感染症対策のご紹介」が好評でしたので、再びインタビューをさせていただきました。
今回は「医療機関だからできる使い捨てマスクの再利用方法」をご紹介させていただきます。
中島先生より
患者さんと接する医療現場ではマスクが不可欠ですが、マスクの在庫が少なくなって不安な毎日です。入荷が見込めないのなら、再利用を考えざるを得ません。
そこで、当院でも再利用の方法を考えました。
オートクレーブ※を利用した滅菌マスクの再生です。
※オートクレーブ:滅菌ガーゼなどを作るための、高熱蒸気で滅菌する機械
自己血貯血ならず自己マスク保存です。早くやっておけばよかったと少し後悔しています・・・(-_-;)
本日(3月19日)から、職員には使い終わったマスクは処分せずに、
1週間分が溜まった段階でオートクレーブにかけ、各自が使用マスクを滅菌保存することにしました。
図1:1週間使用したマスクを専用の袋にまとめる
内側と外側がくっつかないよう互い違いに重ねる
図2:オートクレーブにかける(滅菌134℃10分、乾燥30分)
図3:滅菌されたマスク
新品のマスクの在庫がなくなった時に備えた貯蔵です。
滅菌密封保存ですので、箱に入った市販のマスク以上にキレイになっています。(臭いは次亜塩素酸スプレーで消す)オートクレーブにかけることでマスクが痛み、機能が落ちるのではないかと心配しましたが、見かけ上ほとんど変化はありませんでした。
まとめると、次のようになります。
- 各自が使用した1週間分のマスク(1日1枚)を内側と外側がくっつかないように互い違いにして積み重ね、専用の袋に入れる
- オートクレーブにかける(滅菌134℃10分、乾燥30分)
- できあがったら、日付と名前を書いて保存する
最前線で診療に当たられる皆様の新型コロナウイルス院内感染対策に少しでもお役に立てましたら幸いです。
※「自分が使用したサージカルマスクをオートクレーブで滅菌保存する」というのは、あくまでもマスクが足りなくなくなった時のための非常用の備蓄です。
何度も再利用するための手段ではありませんので、ご注意ください。
2020年3月19日
中島こうやクリニック 中島孝哉
だんだんマスクの製造が追いつき、一部のドラックストアでは数量限定で販売を再開していますがマスクを必要としている医療機関や介護福祉施設、児童施設はたくさんあります。
最近では自分たちで手作りのマスクを使っている施設も多くあるようです。自分たちができる予防法を取り入れ、感染者が増えないよう取り組んでいきましょう😷✨
ヘルシーパスの公式サイトにもクリニックにおける感染症対策の情報提供を目的としたまとめページをご用意しております。こちらもご覧ください。