中島こうやクリニックの感染症対策のご紹介

中島こうやクリニック 院長 中島孝哉

中島こうやクリニック院長 中島孝哉先生(以下、中島先生)は、日本抗加齢医学会認定医療施設の院長として予防医学に力を入れておられます。
感染症専門医でもあり、大学在籍中は「肝炎ウイルス」「HIV」「HTLV-I」などの血液由来ウイルスの感染対策に取り組んでおられました。
いち早くコロナウイルス院内感染対策に取り組まれている中島先生の院内感染対策は、一般の開業医の先生にも参考になると思われますので、
中島先生とのインタビューで伺った「内科クリニックにおける院内感染対策事例」をご紹介させていただきます。


中島先生より
当院は、地域のプライマリーケアを担う総合診療医として、内科、胃腸科、循環器科、呼吸器科を標榜しています。
アンチエイジングドックや点滴療法などの自由診療も行っていますが、
来院者の大部分は保険診療の患者様で、風邪症状や腹部症状などの急性疾患と、生活習慣病の慢性疾患が混在しています。
健診の患者様も来院され、 一般的な内科クリニックだと思われます。

当院は福岡市の南に隣接する那珂川市(新幹線博多南駅前)にあり、博多駅からは新幹線で9分しかかからず、多くの人が新幹線を利用しています。
福岡市にはクルーズ船が停泊し、福岡空港は武漢からの直行便がありますので、
1月に武漢での新型コロナウイルスの蔓延のニュースを知った時は、すぐに院内感染対策の必要性を感じました。

いくつかの院内感染対策のシミュレーションを考えましたが、不便や犠牲を伴うことなのですぐに決断することはできず、2月から診察の際にマスクを着用するようにし、
院内感染対策の実施を決断したのは2月16日、政府が風邪症状患者の自宅待機を求めた前日、福岡で初の感染者が判明した4日前でした。

院内感染を防ぐには、感染している可能性がある患者とそうでない患者とを同じ空間に居させないようにする必要があります。
そのためには、専用の診察室を設けたり、診療時間を変更したり、何かを犠牲にしないといけません。

色々と考えた結果、点滴療法個室を感染症診察室に変更し、大腸ファイバー検査を一時中止して午後2~4時を風邪症状の患者に充て、
接触者はN95マスクとゴーグル、手袋を着用することにしました。患者様と職員と自分とクリニックを守るためです。
そして、それ以外の時間に来院した風邪症状の患者様で、指定の時間にご来院いただけない方には、問診だけで処方を行うことにしました。

 

中島こうやクリニックの新型コロナウイルス

※入口と待合室のTVモニターに映している院内感染対策法と問診票

問診票と感染症対策スライドは医療機関に限り、公式サイト限定コンテンツからダウンロード可能です。

院内感染対策は、それぞれの医療施設の構造(専用の診察室や待合室を設けることができるか)と感染防護用品の在庫によって異なります。
また、新型コロナウイルスの蔓延状況(風邪症状の患者様の割合)によっても対処法は刻々と変わっていきますので、
各クリニックに応じた院内感染対策を、とにかく早く実行してみることが重要だと思います。
(当院も汚染物質の置き場、廃棄、消毒など、実際にやってみて初めて気づく部分も多いことが分かりました。)

どの施設でも同じだと思いますが、マスクと消毒液の在庫が少なくなっていくのがとても不安です。
でも、最大の不安は自分や職員に感染者が出て休診に追い込まれることです。
それだけは何としても防ぐ必要があります。

運を天に任せる部分もありますが、できる対策は何でも行いたいと思い、職員全員に感染症予防のためビタミンDを配布しました。

当院での院内感染対策、患者様への案内、専用の問診票などを紹介させていただきました。
最前線で診療に当たられる皆様の新型コロナウイルス院内感染対策に少しでもお役に立てましたら幸いです。

(2020年3月8日 中島こうやクリニック 中島孝哉)

不安でいろいろなものにすがりたくなるかもしれません。
しかし、新型コロナウイルス用の薬やワクチンが開発されていない以上、自分たちができる予防法を行いこれ以上感染者が増えないよう取り組んでいきましょう。

中島こうやクリニックの医療機関だからできる使い捨てマスクの再利用方法の記事もクリニックにおける感染症対策としてご一読ください。

また、ヘルシーパスの公式サイトにもクリニックにおける感染症対策の情報提供を目的としたまとめページをご用意しております。こちらもご覧ください。

開業医の為の感染症対策まとめページはこちら >

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