近年、5人に1人が花粉症であるとも言われていますが、花粉症患者が増える原因に黄砂やPM2.5などの「大気汚染物質」が関係していることをご存じでしょうか🤔?
今回は「花粉症と大気汚染物質の関係」について紹介します!
花粉症の現状
花粉症は、1961年アメリカからの帰化種ブタクサによるものが日本で初めて発見され、2年後の1963年スギ花粉症が初めて報告されました。
当時は珍しい病気とされていましたが、患者数は年々増加の一途をたどっています😷🤧💥
これまでは花粉の飛散量が患者数に関わると考えられてきましたが、近年、大気中に移流・浮遊する大気汚染物質と花粉症症状との関係性が明らかになっており、中でも黄砂やPM2.5の観測日は花粉症症状が悪化するという報告があります。
症状スコアの変化と大気の状況
※グラフはKazuma Sugahara et al.,耳鼻免疫アレルギー(JJIAO)33巻 3号: 201-204.図2を筆者一部修正
大気汚染物質と花粉症の関係
黄砂とは
中国大陸内陸部の乾燥・半乾燥地域で、風によって巻き上げられた多量の砂や塵(砂塵)のことをいい、春に舞うことが多いという特徴があります💨
PM2.5とは
「PM2.5」の「PM」はparticulate matterの略で微小な粒子状物質という意味です。
「2.5」は大きさを示しており、合わせると「直径が2.5マイクロメートルほどの小さな物質」という意味があり、物の焼却や、ガソリン車・ストーブなどの燃焼で発生します🏭
症状悪化につながる理由
主な花粉症の原因になるのは、花粉の表面に付着しているCry j1と、花粉内部にあるCry j2というアレルゲン物質(抗原)です。
それらの抗原は花粉が割れて(破裂)分離することで、人体内に侵入して抗体と結合することで発症します🤧
花粉は自然に浮遊している状態でも割れて、抗原を放出しますが、自然な状態で割れる花粉は約2割程度です。
しかし、黄砂やPM2.5などの大気汚染物質と接触した場合、花粉の約8割が破裂し、高濃度のアレルゲン物質が拡散し症状を悪化させるのです😨💦
さらに、破裂した花粉は花粉本体が入れない細い気管の奥まで入り込むため、気管支炎や喘息を誘発させたり、花粉アレルゲンを修飾し、抗体との反応性が強くなる可能性があるため注意が必要です!!
また、黄砂やPM2.5などの大気汚染物質自体は、アレルゲンにはならない物質ですが、花粉などのアレルゲンと一緒に吸いこむと、体内でIgE抗体の生成を促進させたり、炎症を引き起こし過敏性を高める(アジュバンド効果)という報告もあります。
大気汚染物質対策
黄砂やPM2.5の対策は吸い込まない、持ち込まないことが対策として有効です!
屋外での長時間の激しい運動や外出をできるだけ減らし、室内では空気清浄機などを活用しましょう。
外出をする際にはマスクを着用することがおすすめです。
しかし、破裂した花粉は粒子が細かいため花粉症用のマスクでは、粒子を吸い込んでしまいます😱
そのため、ウイルス対策用の高機能マスクを着用されることをおすすめします。
また、環境省はサイトにて黄砂やPM2.5の飛散量、PM2.5においては濃度のレベルに応じた注意喚起を行っているため、参考にしていただければと思います😆
(環境省:大気環境・自動車対策)
まとめ
去年、花粉症の症状が軽かったと感じる方もいたのではないでしょうか?
これは、新型コロナウイルスの影響で、仕事や外出を制限したためだといわれています。
私も花粉症で毎年苦しんでいるんですが、去年は症状が軽かったため「まさか治った!?」と思っていたんですが、そうではないようです・・・。
なかなか病院に行きづらい環境ですが、呼吸器系に異変を感じたら、なるべく早めに医療機関を受診するようにしましょう!
ゆーみん
管理栄養士