皆さんはα-GPCという栄養素をご存知でしょうか❓
α-GPCは様々な効果が期待されることから、とても注目を集めている栄養素のひとつです。
今回は「α-GPCはどんな栄養素なのか」についてまとめます💡
α-GPCって何?
α-GPC(アルファグリセロホスホコリン)はコリンの前駆体です。
リン脂質の一種であるホスファチジルコリンから2つの脂肪酸を外した形をしている水溶性の成分です。
α-を省略して「GPC」と言うこともあり、学名では「sn-グリセロ(3)ホスホコリン」と呼ばれています。
α-GPCという成分名が聞き慣れない人もいるかもしれませんが、母乳にも含まれており、認知機能の改善、 成長ホルモンの分泌促進、老化抑制など様々な効果が期待されています。
脂溶性のホスファチジルコリンはリンパ管から吸収されるため吸収スピードは遅めですが、α-GPCは門脈から効率よくスピ ーディーに肝臓に取り込まれ、脳への到達速度も早いと考えられています。
どんな食品に含まれているの?
α-GPCは様々な食品に含まれていますが、その量はごく微量です。
ホスファチジルコリンが豊富な食材である卵(生)の場合は全卵で0.6mg/100g、大豆(乾燥)では2.9mg/100gとされています。
例えば500mgのα-GPCを摂りたい場合には、卵(Lサイズ:56g/個)では1480個、大豆(0.35g/個)の場合には17242g(49263粒)必要となる計算です。
ホスファチジルコリンが豊富な食材にα‐GPCも多く含まれているというわけではなさそうです😥
その他の食品に含まれるα‐GPCの量をいくつか表にまとめてみました。
α‐GPCの効果
認知機能改善
軽度から中程度のアルツハイマー型認知症患者261名を対象とした多施設無作為化二重盲検比較試験において、α-GPC(1,200 mg/日)を180日摂取し、認知機能を評価したところ、プラセボ群と比較してα-GPC摂取群では認知機能が有意に改善した(Clin Ther. 2003 Jan ; 25 (1) : 178-93.)。
成長ホルモン分泌促進
平均年齢25歳の健康な男性8名を対象にした二重盲検無作為化クロスオーバー試験において、α-GPCを1,000 mg摂取したところ、α-GPCの摂取によって血液中の成長ホルモンや遊離脂肪酸の濃度と肝脂肪酸化(分解)の指標が有意に増加した(Nutrition. 2012 Nov-Dec;28(11-12):1122-6.)。
老化抑制
老化促進マウスを用いてα-GPCの健康効果について調べたところ、コントロール群と比較してα-GPC摂取群のマウスでは老化評価スコアが有意に低く、神経炎症や関節変性の減少もみられた(Biosci Biotechnol Biochem. 2018 Apr;82(4):647-653.)。
まとめ
α‐GPCの効果で紹介した論文内に出てくるα‐GPCの摂取量を食品で摂ろうとすると、比較的摂りやすい豚肩肉でも何kgも食べなくてはなりません。
普段の食事では様々な食品をバランスよく取ることを心がけ、α‐GPCを多めに摂りたい場合にはサプリメントなどの健康食品を活用するのも良いかもしれません。
(管理栄養士 さ)