昨年、平成29年の国民健康栄養調査の結果をまとめ、日本人は様々な栄養素の摂取が不足していることが分かりました(→平成29年 国民健康・栄養調査結果のまとめ①)。
今回は、日本人が不足している栄養素のひとつであるビタミンCに着目し、「ビタミンCがアルツハイマー病を予防できるかもしれない」という内容の論文をご紹介します💡
ビタミンCでアルツハイマー病予防
「将来アルツハイマー病による認知症を発症するリスクの高いアポE E4※保有女性において、ビタミンCを豊富に含む食品を摂取することが認知機能低下のリスクを下げる可能性がある」という内容の論文です。
※アポE E4とは?
アポリポタンパクE (アポE)は、脂質の代謝に関与するタンパク質。
アポEには遺伝子によって決まる3つのタイプ(E2, E3, E4)があり、E4を有していることはアルツハイマー病の危険因子であると言われている。
また、アポE E4を保有することは、特に女性において強力なアルツハイマー病発症の危険因子であることが知られている。
論文内容
中島町研究の調査(ベースライン調査)に参加した認知機能正常の地域在住高齢者(65歳以上)について、平均7.8年後に追跡調査を行い認知機能を評価した。
ベースライン調査時に抗酸化ビタミン(ビタミンC,E)の血中濃度とアポE表現型の測定を行い、ビタミンC、E血中濃度とアポE E4保有と将来の認知機能との関連を解析(研究の参加者はのサプリメント使用はビタミンC 0.2% 、ビタミンE 1.7%とほとんどがサプリメントを使用していなかった)。
結果、アポE E4保有女性では、血中ビタミンC濃度が最も高い群は最も低い群と比べて、将来の認知機能低下(認知症または軽度認知障害の発症)のリスクが0.10倍に減少していた。
また、アポE E4を保有していない女性および男性では血中のビタミンC濃度と将来の認知症や認知機能低下リスクとの関連は有意なかった。
将来認知機能が低下するリスクが高いアポE E4保有女性において、ビタミンCを豊富に含む食品を摂取することが認知機能低下リスクを下げる可能性がある。
「Higher Blood Vitamin C Levels are Associated with Reduction of Apolipoprotein E E4-related Risks of Cognitive Decline in Women: The Nakajima Study.」
(J Alzheimers Dis. 2018;63(4):1289-1297. )
ビタミンCが豊富な食材
日本人のビタミンCの摂取量は、男女とも7~59歳において推奨量に達していません。
もし、推奨量を摂取できていたとしても2~3%の人は不足している可能性がありますが、推奨量も摂取できていない年代は、多くの人がビタミンC不足に陥っている可能性があります💦
ビタミンCが豊富な食品は、生の野菜や果物などです🥦🌶🍋🍓
特に野菜ではピーマン、ニガウリ(ゴーヤ)、モロヘイヤ、ブロッコリー、カリフラワーなどに、果物ではアセロラ、レモン、柿、キウイフルーツ、イチゴなどに多く含まれているため、これらの野菜や果物を、是非、旬の時期に毎日の食事に取り入れてみてください😄
(管理栄養士 さ)