年中売られているイメージもあるゴボウですが、実は晩秋から初冬にかけてが旬で最も美味しい時期と言われています。
今回は、これからが食べ頃の「ゴボウ」をご紹介します!
目次
ゴボウはどんな野菜?
ゴボウは、ユーラシア大陸北部原産の野菜で、日本には平安時代に中国から伝来したと言われています。
ゴボウを食用として食べるのは、世界でも日本だけだと言われていましたが、最近は中国や台湾でも健康ブームで食べられるようになってきました。
その他の原産国でも薬用として活用され、特に中国では、解毒、解熱、鎮咳、利尿などの効果があるとされて古くから用いられているそうです。
ゴボウは野菜の中でも食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維のイヌリンや不溶性食物繊維のセルロース、リグニンなどを多く含んでいます。
ゴボウの主な品種は?普段食べているのはなんていう品種??
ゴボウの品種は根の長さによって異なりますが、大きく分けると長根種と短根種に分かれます。
その中でも最もポピュラーなのは、細長い長根種の「滝野川」です。
1.滝野川ゴボウ
スーパーなどにもよく置かれている品種。
東京都北区滝野川周辺で栽培されたことからこう呼ばれるようになったといわれており、日本のゴボウ品種の多くは、この滝野川をもとに品種改良されている。
2.堀川ゴボウ(聚楽ゴボウ)
京野菜のひとつ。
滝野川ゴボウを植えなおして越冬させて太らせたもので、品種としては滝野川と同じもの。
1年以上の歳月と植え替え等の手間ひまをかけて作られており、味や香りがよく、通常のゴボウより柔らかい。
3.大浦ゴボウ
千葉県匝瑳市大浦地区で栽培されている直径10㎝以上、長さ50cm~1m近くになる巨大なゴボウ。
滝野川系の品種ではない。
中が空洞になっており、そこに肉を詰めた肉詰め料理が有名。
4.山ゴボウ
ゴボウの近種である「モリアザミ」の根。
一般的に味噌漬けなど漬物として食べられている。
ゴボウに含まれる栄養素は?
ゴボウには水溶性食物繊のイヌリンと、不溶性食物繊維のセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどが豊富で、その他にはクロロゲン酸などのポリフェノールが含まれています。
水溶性食物繊維のイヌリンは、ビフィズス菌や乳酸菌を増やす作用や食後血糖値の上昇抑制、中性脂肪の低下作用などが報告されており、さらに腸内細菌によって短鎖脂肪酸に代謝されることで、腸のバリア機能の強化や抗肥満などの効果も期待できると言われています。
また、不溶性食物繊維は保水性が良いことから便量の増加や腸の蠕動運動の促進、余分な脂肪や胆汁酸に加えて発がん性物質の吸着、排出作用があるといわれており、積極的に摂取することで腸内環境の改善に役立つと思われます。
ポリフェノール類は水に溶け出しやすく、ささがきにした状態で水にさらすことでポリフェノールを含む多くの栄養素が流れ出してしまいます💦
ゴボウを切った後は長い時間水につけてあく抜きなどをせず、さっと酢水につける程度が良さそうです☺
ゴボウの選び方と保存方法
太すぎるものは「す」※が入っている可能性があるため避け、太さが均一のものがお勧めです。
漂白していない泥付きのもので、表面がきれいで適当な湿り気があるものが良質とされています。
(※「す」とは、成長し過ぎ等が原因で、内部が割れてできた空間や亀裂のことです。)
保存する際には、泥をつけたまま濡らした新聞紙に包み冷暗所に立てて置くと良いです。
また、土の中に埋めておくと春まで持ちます。
その他、ささがきのきんぴらにしてから冷凍しておくのも便利です😉
調理の際に、繊維にそって切る「千切り」ではシャキシャキした食感、「ささがき」や「輪切り」のように繊維を断つ方向で切ると柔らかい食感、という風に食感を好みで変えることもできます。
そのため、お子様や高齢者の方などで「ゴボウはすじっぽくて食べにくい」という場合は、ささがきや輪切りにして調理すると食べやすくなると思います✨
是非、様々な料理に加えて積極的に食事に取り入れてみてください☺
(管理栄養士 あ)
<参考>
花図鑑 野菜+果物 草土出版
もっとからだにおいしい野菜の便利帳 高橋書店
農畜産業振興機構 今月の野菜 ごぼう
農畜産業振興機構 今月の野菜 ごぼう ごぼうの需給動向
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報 イヌリン
日本食品科学工学会誌 繊維質と食物繊維
日本調理科学会大会 ごぼう中のポリフェノールとミネラル量に与える調理操作の影響