私たち日本人が好んで飲むことが多い緑茶には、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、カロテノイド、アミノ酸などの栄養素が含まれており、これらによって様々な健康効果が期待できると考えられています。
今回は、「緑茶の健康効果」に関する論文をいくつかご紹介します💡
目次
緑茶と認知症
研究内容
2002年に行われた高齢者総合評価に参加した、仙台市鶴ケ谷に住む谷70歳以上の1,003名のデータを解析した横断研究。
緑茶の摂取量を次の3つのカテゴリーに分け(3杯以下/週、4~6杯/週 または1杯/日、2杯以上/日)、認知症診断で使われる対面テストMMSEで26点未満を認知症と判断し、普段の食生活の状況を確認した。
結果
緑茶を1日2杯以上飲む人は認知症と判断されにくかった。
緑茶の摂取量が多いほど、認知障害の罹患率が低くなる可能性がある。
Green tea consumption and cognitive function: a cross-sectional study from the Tsurugaya Project(Am J Clin Nutr February 2006 vol.83 no.2 355-361)
緑茶と糖尿病
研究内容
緑茶をはじめとしたお茶類やコーヒーと2型糖尿病との関係について5年間追跡したコホート研究。
40~65歳の合計17,413名(男性6727名、女性10,686名)の日本人が対象であり、緑茶、烏龍茶、紅茶、コーヒーの摂取量はアンケートにて集計した。
結果
1日に6杯以上の緑茶や3杯以上のコーヒーを飲む人は、それらの摂取量が1週間に1杯未満の人と比較して糖尿病のリスクが低くなった。
緑茶摂取は2型糖尿病発症リスクを減らす可能性がある。
The relationship between green tea and total caffeine intake and risk for self-reported type 2 diabetes among Japanese adults.(Ann Intern Med. 2006, 144: 554-562.)
緑茶とLDLコレステロール
研究内容
「やぶきた」または「べにふうき」緑茶カプセル摂取が血中コレステロール及び体重へ与える影響に関するランダム化比較試験。
151 名(男性 98 名、女性53 名、平均年齢 44.2±8.7 歳、53.4±7.7 歳)を、「やぶきた群」、「べにふうき群」、「プラセボ群」の3群に分け、それぞれに1.8 g/日の緑茶カプセルまたはプラセボを12週間摂取してもらった。
結果
「プラセボ群」と比較して「やぶきた群」と「べにふうき群」において有意にLDLコレステロールが低下した。
緑茶の摂取はLDLコレステロールの低下と関連している可能性がある。
緑茶成分摂取量と動脈硬化関連指標との関連:掛川スタディ
東北大学大学院医学系研究科 医科学専攻 環境遺伝医学総合研究センター 分子疫学分野 博士学位論文 (学位授与番号 11301甲第17381号 )
緑茶と歯周病
研究内容
緑茶摂取と歯周病の関連について検討している横断研究。
歯を20個以上持つ49歳から59歳の日本人男性940名を対象に、アンケートによって1日の緑茶の摂取量を得た。
結果
緑茶の摂取量は歯周病のパラメータと有意に逆相関し、歯磨き回数と歯数にも相関相関していた。
緑茶摂取と歯周病との間には、穏やかな逆相関があった。
Relationship between intake of green tea and periodontal disease.(J Periodontol. 2009 Mar;80(3):372-7.)
まとめ
緑茶の効果ってすごいですね❗
この他にも、緑茶には「がんリスク低下」、「骨粗鬆症予防」、「子宮頚部異形成(子宮頚部の細胞の異常発達)軽減」、「冠動脈疾患リスク低下」、「老化抑制」、「アレルギー緩和」などの効果も期待されています✨
しかし、最近では家に急須がないという家庭もあるようです😱
そんな場合には、緑茶末や抹茶といった茶葉をそのまま粉末にしたお茶をお湯や水に溶かして飲むという簡単な方法があります
急須で緑茶を淹れて飲むよりも、茶葉の栄養を丸ごと取れる粉茶の方が緑茶の効果をより期待できる可能性があるので、とてもお勧めです👍
緑茶にはカフェインも含まれているため、飲み過ぎには注意が必要ですが、是非、毎日の生活に緑茶を取り入れてみてください😄
※粉茶を選ぶ際には、農薬や化学肥料を使っていないものが安心です。
(管理栄養士 さ)