「糖化」という言葉を聞いたことがあっても、それがどう体に影響しているか、ということを実感することは少ないのではないかと思います。
そこで今回から2回に分けて、『「糖化」と「美容」の関係』についてご紹介いたします。
1回目の今回は、「糖化」や「AGEs」についてと、それらがカラダに与える影響をご紹介したいと思います
糖化とは?
「糖化(Glycation)」はアミノ酸と還元糖を加熱することで褐色の色素が生成されることから発見され、発見者の名前から「メイラード反応*」とも呼ばれています。
*他に「アミノカルボニル反応」と呼ばれることもあります。
発見当初は食品の「コゲ」を作る反応として知られ、「焼く」「揚げる」などの調理で起こる「着色」や「香り・風味の変化」などにかかわることから、食品化学の分野で注目されてきました。
ヒトの身体の多くの器官、脳や内臓、筋肉、血管、神経、骨、皮膚や爪、髪の毛なども主にたんぱく質からできています。
このたんぱく質と糖が結びつくことを「糖化反応」と呼びます。
体内で起こる糖化反応として代表的なものに「糖化ヘモグロビン(HbA1c)」があり、血糖コントロールの指標として臨床の場で活用されています。
糖化が進むことでたんぱく質は本来の働きができなくなり、カラダの機能に様々な変化が生じます。
また、たんぱく質が糖化することで起こる変化として、たんぱく質が褐色化し、硬く、もろくなることが報告されています。
骨や筋肉、皮膚など多くの組織はたんぱく質からできているため、糖化によって骨がもろくなったり、皮膚のたるみや褐色化ような変化が起こってきます。
食事から摂取する糖が過剰なほど糖化は進みやすく、糖化により体内に『AGEs』と呼ばれる老化物質が生成され、蓄積されます
AGEsとは?
「AGEs(Advanced Glycation Endproducts)」は、たんぱく質やアミノ酸のアミノ基が還元糖により非酵素的に糖化、修飾されることにより生成される最終産物の総称で、「最終糖化産物」や「糖化反応最終生成物」などと呼ばれています。
AGEsには数十種類の化合物があり、それぞれに様々な性質を持っています。
AGEsが持つ性質の一つとして、架橋構造を有することが挙げられます。
※AGEsでも架橋構造を有しないものもあります。
AGEsがたんぱく質間に架橋を形成することが問題となることもわかってきており、糖化架橋(老化架橋)が皮膚のハリの低下や関節の硬化、さらに血管の硬化にも繋がり、多くの老化現象に関わると考えられています
そのため、糖尿病合併症やがん、アルツハイマー病などのヒトの加齢現象や健康にかかわる物質として、近年研究が進んでいます。
健康的な生活を送っている人は、加齢に伴うAGEsの蓄積はそれほど多くなく、不適切な食生活や生活習慣、運動不足などがあるほど、AGEsの生成や蓄積は増加していくと言われています。
これまでご紹介してきたように、老化や生活習慣病にも繋がる糖化やAGEsですが、皮膚や筋肉などを硬化させることで、見た目の老化にも繋がることが報告されています
様々な影響があるAGEsですが、一度出来てしまったAGEsは排出されにくいことから、AGEsを生成しない、溜め込まないようにすることが肝要です。
では、「AGEsを生成しない、溜め込まない」ためには、どのようにすればよいのでしょうか…?
次回は、『「糖化」と「美容」の関係②』として、AGEsを作りにくい、もしくは溜め込みにくい生活習慣をご紹介させていただきます
(管理栄養士 あ)
アークレイ サイト AGEsとは
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日本食生活学会誌 糖化制御と生活習慣病の予防
糖化とアンチエイジング
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SHARP 最終糖化産物(AGEs)測定器