暖かい日差しを感じるとともに気になるのは、強くなり始めた「紫外線」の影響、という方もいらっしゃると思います。
日に焼けたくはなくても、健康のためには日光浴も必要、と聞くこともあるのではないでしょうか
そこで、今回から2回に分けて「紫外線とビタミンDの関係」についてご紹介いたします。
あなたのスキンタイプは?
スキンタイプ(SPT:Skin Photo Type)は、紫外線に対する皮膚の感受性の度合いとして世界保健機構(WHO)が分類したものです 。
メラニン色素の量で6つに分類されており、タイプⅠ~Ⅵに分類されています。
メラニン色素は皮膚を紫外線から守るために作られるもので、紫外線以外にも可視光線、赤外線を吸収し、DNAへのダメージを少なくしてくれます
そのため、肌が黒い(メラニン色素量が多い)方が紫外線などの日光に対して抵抗力があるといえます。
タイプⅠに該当するのは白人で、紫外線を浴びても赤くなるだけで黒くなったりはほとんどしません。
日本人はタイプⅡ~Ⅳくらいに該当するとされ、赤くなるとその後数日して黒くなる、という傾向があります。
肌が白めで、日に焼けても赤くなるだけでほとんど黒くならない方は、日本人の中でも「タイプⅡ」に分類され、標準とされるタイプⅢや、やや肌の色が黒いタイプⅣの方と比較するとしっ かりした紫外線対策が必要となります。
しかし、肌が黒くなりやすく、紫外線に対して抵抗力があるからといって、むやみに日焼けすることは避けた方が良いといわれています
ビタミンDを作るのは?UVの違いもチェックしましょう!
紫外線(UV)は波長によって、「UV-A」「UV-B」「UV-C」に分けられますが、UV-Cは酸素やオゾンに吸収される為、地表では観測されません。
(環境省 紫外線環境保健マニュアル2015より引用)
地表に届く紫外線はUV-A、UV-Bで、UV-Aと比べるとUV-Bの方が届く量が少なく、さらにガラスやサンスクリーン、衣服などでもカットされやすいと言われております。
しかし、ビタミンD生成に必要なのは「UV-B(300nm付近の紫外線)」ということがわかっています。
体内でのビタミンD生成の流れ(国立環境研究所サイトより作成)
健康のために欠かせないビタミンD生成に必要なUV-Bですが、UV-BはDNAを傷つけることで皮膚の突然変異を生じさせ、皮膚がんのリスクの一因となる可能性が示唆されています。
また、UV-A、UV-Bによる皮膚へのダメージの蓄積は、肌色を黒くするだけでなく、肌の乾燥や外見上の変化にも大きく関わっているといわれております。
それでは、「必要なビタミンDを生成」できて、「肌のダメージを防ぐ」には、どのようなポイントがあるのでしょうか…?
次回は、「ビタミンD生成に必要な時間」や「ビタミンDが摂取できる食品」についてご紹介いたします。
(管理栄養士 あ)
環境省 紫外線環境保健マニュアル2015
環境省 紫外線環境保健マニュアル2008
国立環境研究所 耐容紫外線による健康のためのビタミンD生成と皮膚への有害性評価
国立環境研究所 ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報