以前にもブログでご紹介いたしましたが、皆様は「ヤーコン」を食べる機会などありますでしょうか?
健康に良いと言われているヤーコンですが、身近なスーパーなどではあまり見かけることのない食材です。
しかし先日、ヤーコンを栽培されている先生が、ヘルシーパスにヤーコンをお送りくださいました
そこで今回は、ヤーコンに含まれる機能性成分と、ヤーコンでのお勧め料理をご紹介いたします
●ヤーコンとは
南米アンデス地方原産のキク科の多年草です。
日本で作られている品種は、「ペルーA種」「サラダオトメ」「アンデスの雪」「サラダオカメ」などの品種があり、地下に生る塊根だけでなく、茎や葉も食されます。
よく「ダイエットに良い」「整腸作用がある」「コレステロールを下げる」「糖尿病に良い」と言われていますが、それはヤーコンに含まれる「イヌリン」「フラクトオリゴ糖」「ポリフェノール類」の作用によるものと考えられています。
塊根類*には珍しく生でも食べられるという特徴があり、サラダやスムージーなどでも美味しく食べられます
*塊根類:養分を蓄えて肥大し、塊状になった根。サツマイモ・ダリアなどの芋。(小学館 デジタル大辞泉より引用)
また、ヤーコンを使用したお菓子や焼酎なども作られているようです
●ヤーコンに含まれる機能性成分
ヤーコンは、100g当たり44kcal(水煮)とカロリーが低め(さつまいも(蒸し)134kcal、じゃがいも(水煮)73kcal)で、水分量が多く、イヌリン、フラクトオリゴ糖、カフェ酸などのポリフェノールが含まれています。
【イヌリン】
イヌリンは水溶性の食物繊維で、大腸内の腸内細菌によって100%短鎖脂肪酸に代謝されることが報告されています。
短鎖脂肪酸には多彩な機能があるといわれており、大腸上皮細胞のエネルギー源として細胞増殖に利用されてバリア機能を強める働きがあることや、体内では糖新生やエネルギー代謝に関与し、抗肥満、抗糖尿病作用を発揮する効果が期待できることが報告されています。
また、イヌリン自体の持つ機能性としてビフィズス菌、乳酸菌を増やす作用、排便回数の増加、中性脂肪の低下や食後血糖値の上昇抑制効果なども報告されています。
【フラクトオリゴ糖】
フラクトオリゴ糖は、難消化性のオリゴ糖で、「おなかの調子を整える」「カルシウムの吸収を促進する」などの機能は特定保健用食品(トクホ)の審査で認められています。
【ポリフェノール類】
ヤーコンには、主にクロロゲン酸、カフェ酸、ジカフェオイルキナ酸、プロトカテキュ酸が検出されています。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があることが知られています。
例えば「コーヒー酸」とも呼ばれる「カフェ酸」には、抗酸化作用の他に抗炎症作用などの作用があることが報告されています。
また、試験管内での試験では「がん細胞やウイルスの成長の抑制すること」、動物実験では「運動による疲労を軽減すること」などが示唆されています。
●ヤーコンのお勧めのレシピ
◎ヤーコンとビーンズのコロコロサラダ
1.ヤーコンの皮をむき、さいの目切りにしたあと、水か酢水につけてあく抜きをする
2.キュウリもさいの目切りにし、ボウルへ入れる
3.2のボウルに、ミックスビーンズを入れる(好みでトマトやパプリカなど入れても良いと思います)
4.3に1のヤーコン(水気を切る)、マヨネーズ、粒マスタードを入れる
※お子さんがいる場合には、粒マスタードを入れる前に取り分けると良いと思います。
5.材料を全て混ぜ合わせ、盛り付ける
◎ヤーコンソテー
1.ヤーコンの皮をむき、輪切りにしたあと、水か酢水につけてあく抜きをする
2.フライパンに油(オリーブ油やごま油などお好みのもの)を入れ、熱する
3.2のフライパンに、1のヤーコン(水気を切る)を並べ、両面がこんがりするまでソテーする
4.お皿に並べ、クリームチーズ(無ければ粉チーズやプロセスチーズ)をのせ、シーズニングを振りかける
どちらも、おかずにもおつまみにもなる一品で、とても美味しく食べられました!
また、ヤーコンにはほんのりとした甘みがあり、子供でも食べやすい食材ですので、きんぴらにするのもお勧めです
健康効果も期待でき、美味しく食べられるヤーコン。
11-12月下旬が収穫時期と言われていますが、まだまだ出回っています
見かけたら、ぜひ一度お試しいただければと思います
(管理栄養士 あ)
ヤーコンネットワーク
新しい根菜ヤーコン
小学館 デジタル大辞泉 塊根
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より出典
今後の「食」を探る 食物繊維の生理機能
慶應義塾大学プレスリリース メタボリックシンドロームを改善する新たなメカニズム解析
日本人2型糖尿病患者の食物繊維摂取が血糖コントロール、心血管リスク因子および慢性腎疾患に及ぼす影響
フジ日本精糖株式会社 「イヌリン」資料より引用