暖かくなると外出しやすくなりますが、その際に気になるのが紫外線です。今回は日焼けと紫外線対策に関する情報をご紹介いたします。
目次
紫外線の種類とUVインデックス
太陽の光には、可視光線の他に、目に見えない赤外線や紫外線が含まれています。
紫外線とは地表に届く光の中で、最も波長の短いものです。
(環境省 紫外線環境保健マニュアル2015より引用)
UV(UltraViolet)は、「UV-A(A領域紫外線)」「UV-B(B領域紫外線)」「UV-C(C領域紫外線)」の3種類に分類されており、UV-Cは大気層で吸収され、地表に届きません。
UV-Bのほとんどは大気層で吸収されますが、一部は地表に到達します。
皮膚や眼に有害であると言われ、日焼けや皮膚がんの原因になると考えられています。
UV-AはUV-BやUV-Cと比べ影響は少ないですが、多くが地表に届くため、長時間当たると肌などに影響があると言われています。
上記のように、「紫外線が人体へ与える影響」は、波長によって異なります。
そういった波長ごとの皮膚に対する影響を考慮し、国際的な指標を用いています。
それが「UVインデックス(=CIE紅斑紫外線強度(mW/m2)/25)」です。
UVインデックスで表される紫外線の強さは以下のように分類されます。
サンバーン?サンタン?日焼けの違いって?
「日焼け」は「サンバーン(SUNBURN)」と「サンタン(SUNTAN)」の2種類の症状に分類されます。
「サンバーン(SUNBURN)」は、紫外線を浴びた数時間後から現れる皮膚が赤くなる日焼けで、「紅斑」とも呼ばれます。
サンバーンの症状は、皮膚に紅班ができ、やがて治まってしまうものから、赤く腫れ上がり痛みを伴い、さらに水泡が形成され長い間その痕跡が残ってしまうものまで様々です。
「サンタン(SUNTAN)」は、サンバーンの後に皮膚中の色素形成細胞(メラノサイト)の働きが活発になり、数週間から数か月続く皮膚が黒くなる(皮膚に色素沈着が起こった)状態です。
(環境省 紫外線環境保健マニュアル2015より引用)
紫外線による健康への影響
紫外線を浴びすぎると、日焼けなどによる皮膚の紅斑やシミ、そばかすなどの原因となる色素沈着だけでなく、様々な健康への影響が懸念されています。
急性の症状
①日焼け(サンバーン、サンタン)
②紫外線角膜症(雪目)
③免疫機能低下
慢性の症状
①シワ(菱形皮膚)
②シミ、日光黒子
③良性腫瘍
④前がん症(日光角化症、悪性黒子)
⑤皮膚がん
⑥白内障
⑦翼状片
紫外線対策はどんな方法があるの?
紫外線対策としては、「紫外線を浴びることを防ぐ方法」と「紫外線からのダメージを和らげる方法」があります。
紫外線を防ぐ方法としましては、「(UVインデックスなども参考に)紫外線の強い日・時間帯の外出を控える」「衣服や帽子・日傘で肌を覆う」「サングラスの使用」「日焼け止めを活用」などの方法があります。
日焼け止めは、塗り方次第で効果が変わってきます。
どのようなシーンで使用するかなどを考慮した上で、ご自身に合ったものを選ぶようにすることをお勧めします
紫外線からのダメージを和らげる栄養素
「紫外線からのダメージを和らげる方法」としましては、「抗酸化作用のある栄養素」「肌の生成をサポートする栄養素」「メラニン(黒色色素)の生成を抑える栄養素」「肌の潤いを保持してくれる栄養素」などを意識して摂ると良いと言われています。
カロテノイド(βカロテン、リコピンなど)🍅🥕
・抗酸化作用により、紫外線の影響で発生する活性酸素の消去
・紫外線ダメージによる紅斑を防ぐ
*皮膚中のリコペンは紫外線に当たることにより減少するため、紫外線に当たる前に摂取すると良いと言われています
ビタミンE(α-トコフェロール)
・抗酸化作用により、紫外線の影響で発生する活性酸素の消去
・ビタミンCと一緒に摂ることで日焼け防止効果が期待される
ビタミンC
・抗酸化作用により、紫外線の影響で発生する活性酸素の消去
・ビタミンEと一緒に摂ることで日焼け防止効果が期待される
・メラニンの生成抑制
・コラーゲンの合成に不可欠
CoQ10(コエンザイムQ10)
・抗酸化作用により、紫外線の影響で発生する活性酸素の消去
・紫外線ダメージによる肌の老化の回復
グルタチオン
・抗酸化作用により、紫外線の影響で発生する活性酸素の消去
・メラニンの生成抑制
・黒色メラニンを黄~赤褐色にすることで、肌を白く見せる
α-リノレン酸
・肌のバリア機能を維持
・紫外線などの刺激から肌を保護してくれる
どの栄養素も、「紫外線を浴びる前」から日常的に摂取することで効果が期待できます。
また、紫外線を浴びた後のダメージのケアの為にも、積極的に摂取することをお勧めします
服装や外出時の時間帯などで紫外線を防ぐとともに、浴びてしまった分のダメージは、抗酸化力や抗炎症作用、組織の修復作用などのある栄養素でカバーできるとよいですね
(あ)