健康のために野菜と果物を食べましょう!!


野菜や果物が体に良いということは、皆様すでにご存じのことかと思います。

今回は、「メタボ」や「糖尿病」にも野菜と果物の積極的な摂取が有効であるというデータについてご紹介いたします。


●長期間にわたる野菜不足はメタボの原因!?

琉球大学で行われたマウスを用いた研究結果として以下の内容が報告されました。

野菜に多く含まれる「硝酸塩」や「亜硝酸塩」が不足したエサを長期間与え続けたマウスは、カロリー摂取量が少なくてもメタボリックシンドローム(内臓脂肪蓄積、脂質異常症、耐糖能異常、高血圧など)を発症し、急性心筋梗塞を含む心血管死が引き起こされた。

沖縄県では「沖縄クライシス」と呼ばれる健康問題が起こっており、この研究も野菜の摂取量が少ないことが生活習慣病の発症率を上げているのではないか、という仮説のもとに行われた研究です persevere

「野菜に含まれる硝酸塩・亜硝酸塩」に着目し、「野菜そのものの摂取が大切」で「野菜を摂ることでメタボリックシンドロームを予防できる可能性がある」ことを証明する一つのエビデンスとなりそうです open_mouth

今回の研究での注目していただきたいのは、硝酸塩・亜硝酸塩の摂取を抑制した際に
・血管内皮の一酸化窒素(NO)の生成が抑制
・アディポネクチンの機能不全
・腸内細菌叢の異常
が見られ、これらの異常がメタボリックシンドローム発症に影響を与えたということと、その異常はすべて硝酸ナトリウムの投与により抑制された、という点です。

つまり、野菜を食べないことでメタボリックシンドロームのリスクが高まり、さらに野菜を食べることでそのリスクが抑えられるかもしれない、ということです point_up

食事からとる硝酸塩や亜硝酸塩について、どの程度体内に取り込まれるかなどの明確なデータがありませんが、基本的に「野菜に多く含まれる硝酸塩・亜硝酸塩」をターゲットにした研究であり、食品添加物としての「硝酸塩・亜硝酸塩」とは一緒に考えない方が良いと思われます persevere

 

●生の果物は糖尿病と合併症のリスクを低下させる

英国オックスフォード大学の調査で、生の果物を積極的に摂る人は、糖尿病になりにくく、糖尿病患者においては合併症を起こしにくいことが分かった、という報告がありました。

生の果物の摂取が健康上、体に良いことは認識されていても、果糖を含む糖分が多いことから糖尿病に関しては否定的な意見もあります pensive

しかし、今回の調査では生の果物を摂取している方が、糖尿病の発症や合併症のリスクが少ない、という結果がでました。

この調査の結果から、研究者は
「アジア地域では、糖尿病患者に対して果物の制限をかける指導を推奨しているが、それを見直すべきだ」という意見を述べています。

 

●新鮮な野菜、果物の摂取はやっぱり体にいい!

その他、
「野菜や果物を摂取することで、心理的ストレスを軽減する可能性がある」や、
「野菜や果物を摂取することで、COPD*のリスクが低減する可能性がある」などの報告もあり、

積極的に野菜や果物を摂ることは、健康において様々な恩恵があると考えられます smiley

※COPD:慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)

ただし、野菜や果物に関しては「好き嫌い」や「アレルギー」、「値段が高い」、「手間がかかる」、もしくは「そんなにたくさん食べられない」などの理由で、積極的に摂取することができない方もいらっしゃると思います。

苦手な食品を美味しく食べる工夫などもありますし、コストや手間の問題に関しても手軽に野菜や果物を摂る方法が増えてきています wink

いくつか例を挙げてみますと sparkles
◇苦手な食材を美味しく食べる工夫
・細かく刻む、もしくはペースト状にし、好きな料理に混ぜ込む curry
・ブレンダーやミキサーを使い、他の食材と合わせソースやスープにする stew

◇手軽に野菜や果物を摂る方法
・「野菜を○g摂れます」と表記してあるメニューや惣菜などを選ぶ ramen
・スーパーなどにある『野菜バー』を活用。食べたい野菜を必要なだけ購入サラダ
・生ジュースや野菜スープを購入できるジューススタンドなどを活用 野菜ジュース​​​​​​​
・カットの必要のない果物(イチゴ、バナナ、みかんなど)をデザートやおやつとして利用バナナ​​​​​​​

この他にも色々と方法はあると思いますが、上記の方法も参考にして頂ければと思います blush

本来は、旬の野菜や果物を食べるのが理想的ですが、まずは気軽に摂れる食材を利用するなど、毎日の生活に少しでも野菜や果物を取り入れる意識を持つことから始めることをお勧めします sparkles

それでも野菜や果物を摂ることがなかなか思うようにいかず心配な方は、健康維持に必要な「ビタミン」「ミネラル」の不足分だけでも、サプリメントなどを活用して摂るようにするのも良いと思います relieved

 

(あ)

 

Pub Med 長期間にわたる亜硝酸塩・硝酸塩の不足はマウスのメタボを誘因 (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28352942
琉球大学 沖縄クライシス ミニレビュー (http://www.ryudai2nai.com/doc/20120612.pdf
Pub Med 一酸化窒素経路を介した食物硝酸塩の血管効果 (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22882425
Pub Med 食餌性亜硝酸塩と硝酸塩のリスク・ベネフィット評価 (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19748594
農林水産省 野菜等の硝酸塩に関する情報  (http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/syosanen/index.html
PLOS 糖尿病と糖尿病の合併症に対する果物消費の影響 (http://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1002279
BMJ 果物・野菜の消費量と心理的ストレス (http://bmjopen.bmj.com/content/7/3/e014201
BMJ 果物と野菜の消費はCOPDのリスクに関与する (http://thorax.bmj.com/content/early/2017/01/03/thoraxjnl-2015-207851

研究・論文紹介 | 食物と栄養素 関連記事もご覧ください

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