皆様、はじめまして。
新しくヘルシーパスの企画開発部に仲間入りしました、管理栄養士の(あ)です。
これまでは病院などで栄養指導の仕事に携わっていましたが、
これからヘルシーパスの一員として、ブログなどためになる記事をアップしていきますので、
宜しくお願いいたします。
では、本題に入ります。
ダイエットを始めると、最初に摂りすぎを意識することも多い炭水化物
最近は「低炭水化物」や「低糖質」などの言葉を耳にすることも多くなりました
『炭水化物』と『糖質』って何が違うのか、と感じることはありませんか?
ダイエットがきっかけで、管理栄養士を目指した(あ)から、
炭水化物、糖質、糖類の栄養学的な違いについて、簡単に説明させていただきます
●炭水化物、糖質、糖類…なにが違うの
最近、スーパーやコンビニで、
「糖質オフ」「糖類ゼロ」また「低GI」や「ロカボ」などを謳った商品を多く見かけます
そのような表示内容を活用している方、興味を持っている方も多いでしょう
炭水化物、糖質、糖類の違いを図で表しますと、
◎炭水化物=糖質+食物繊維
◎糖質=糖類+三糖類以上+糖アルコール+合成甘味料
◎糖類=単糖類+二糖類
ですので、
こういったイメージになります。
●炭水化物とは
単糖を構成成分とする有機化合物の総称で、
分子式が炭素に水が結合した物質【Cm(H2O)n】のように記載していたため『炭水化物』と呼ばれています。
多くの生物種の栄養素であり、『三大栄養素』のひとつです。
炭水化物の中には「難消化性炭水化物」と言われる『食物繊維』も含まれており、
『糖質』と『食物繊維』を合わせたものを炭水化物と呼びます。
●糖質にはどんなものがある
糖質は、栄養学的には「炭水化物から食物繊維を除いたもの」とされ、
「炭水化物の中でヒトが消化・吸収できるもの」とも言い換えられます。
主に単糖が2-数千個結合しているものを言い、
「少糖類(オリゴ糖)」と「多糖類」などに分類されます。
「少糖類(オリゴ糖)」は、2-10個程度の単糖が結合したもので、
主な種類としては
「フラクトオリゴ糖」 → 玉ねぎ・ごぼう・アスパラガスなど
「ガラクトオリゴ糖」 → 乳中
「イソマルトオリゴ糖」 → 醤油、味噌、はちみつなど
「ラフィノース」 → 豆類に多く、甜菜などの植物全般
「スタキオース」 → 豆類に多い
などがあります。
「多糖類」は、単糖が何十~何千も結合したもので、
多糖類でよく耳にするものとしては、
「デンプン」 → 植物の種子・地下茎(小麦粉・片栗粉の成分)
があります。
栄養学上は、合成甘味料や糖アルコールも実は『糖質』として分類されています
●どんなものが糖類
「糖類」は、「単糖類」と「二糖類」をまとめたものです。
単糖類には、
<六炭糖>
「グルコース(ブドウ糖) 」や「フルクトース(果糖) 」「ガラクトース 」
<五炭糖>
「リボース」「デオキシリボース」「アラビノース」「キシロース」
などがあります。
二糖類は、上記の単糖が2つ結合したもので、
「スクロース(ショ糖)」(グルコース+フルクトース) → 植物全般、特にサトウキビ、甜菜に多い
「マルトース(麦芽糖)」(グルコース+グルコース) → でんぷんの消化分解により生じる
「ラクトース(乳糖)」(グルコース+ガラクトース) → 乳中に多い
など、結合する単糖の種類によって様々な二糖類があります。
ここまで、炭水化物、糖質、糖類の栄養学的な違いについて、簡単に紹介しました
それぞれに分類上の意味があり、特徴も異なります。
炭水化物と糖質、糖類の区分に関しては、生化学や栄養学、法律上などで若干異なり、
どこで線引きするのか、という判断も難しいですね…
そこで
炭水化物、糖質などの表示内容の違いについては、“炭水化物の基礎知識【その②】”として、
また次の機会にお伝えしたいと思います
(あ)
独立行政法人 農畜産業振興機構『砂糖類情報』 https://sugar.alic.go.jp/tisiki/ti_0410.htm
アサヒ飲料 なぜなぜ豆辞典『炭水化物・糖質』
厚生労働省 炭水化物PDF http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042632.pdf
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-018.html