みなさん、ナマコは食べたことがありますか
先日、ヘルシーパス社内でナマコについて話が盛り上がったのですが、意外とナマコを食べたことがない人が多く驚きました
もしかすると、当ブログを読んでいる方の中には「ナマコって何 」、「ナマコって食べられるの 」と思った人もいらっしゃるかもしれませんね
そこで今回は、今が旬の「ナマコ」について簡単にまとめたいと思います
●ナマコって何?
ナマコは漢字で「海鼠」と書き、英語では「sea cucumber」などと呼ばれており、学名は「Apostichopus japonicus」という日本にゆかりのある棘皮動物です
魚類でも介類でもありませんが魚介類に分類されます。
日本で食品として利用されるナマコには、東北地方で有名なキンコ、沖合の深所で底曳で獲られるオキナマコ、そして沖縄に多いシカクナマコやバイカナマコなどがありますが、最も良く利用され商業的価値の高いものはマナマコです。
マナマコは北海道から九州各地の沿岸に生息しています。
ナマコの体色は生息域によって変わり、外洋性の岩礁地帯のものは「赤ナマコ(赤コ)」と呼ばれ、味が良く、薄く切ると体表の赤い色が白い肉の表面に美しく映えることから、生食で人気が高いナマコです。
内湾の砂泥底に多く北海道にも分布する「青ナマコ(青コ)」と「黒ナマコ(黒コ)」は、煮沸後に乾燥させて干しナマコに加工されています。
(青ナマコは生食もするようです )
夜行性で水深40m以浅の海底に棲み、冬は活発に活動しますが、夏に海水温が高くなると岩礁の陰などで「夏眠」をしてじっとしています
危険を感じると内臓を放出しますが1~3ヶ月ほどで再生されます。
また、ナマコは内臓だけでなく体の一部を切られてもトカゲのように再生し、寿命は推定4~5年と推定されているようです
なお、ナマコの腸などの内臓を塩辛にした「このわた」は「ウニ」「からすみ」と並んで日本三大珍味のひとつに数えられます
中国では乾燥させた干しナマコを中華料理に用いるのが一般的で、日本からも国内で加工した乾燥ナマコが香港・中国などに輸出されています
●ナマコの効能
ナマコの中国名は海の人参と書いて「海参(ハイシェン)」です。
「参」とは朝鮮人参のことで、ナマコは朝鮮人参のように滋養強壮効果が高いとされ、乾燥ナマコが漢方薬として販売されています。
機能性が期待される成分として多糖類、動物では珍しくサポニンなどを含みます。
免疫細胞の活性化作用がみられ、抗炎症作用(抗アレルギー作用)や抗がん作用などの効果が期待されています
●ナマコの栄養と料理
ナマコの約90%は水分でできていますが、100g中に160㎎とマグネシウムが比較的多く含まれています。
日本の場合、ナマコの食べ方としてまず思い浮かべるのが酢の物です。
スライスして三杯酢で和えると、コリコリとした食感と磯の香りが口に広がります
また、お寿司やサラダの他にスープや炒め物など様々な料理に活用することができます。
一方で中国の場合には、ナマコを生で食べることはほとんどなく、乾燥ナマコを調理の際に水で戻してから火を通して食べるのが一般的です。
乾燥ナマコは高級食材の上、調理に手間がかかるため、一般家庭の食卓に乗ることはほとんどないようです
中国などでの需要が増え、黒いダイヤとも呼ばれるナマコですが、実は、一年中獲れる訳ではありません。
自然保護の観点から禁漁期が設けられており、漁ができるのは11月6日~3月15日の間だけです。
そのため、今が旬で生で食べられるチャンスです
是非、皆さんご賞味あれ 😉
(さ)
・七尾湾が育んだ能登のごちそう「能登なまこ」を知る!食べる!サイト(http://notonamaco.com/)
・マルハニチロ㈱サイト(https://www.maruha-nichiro.co.jp/gallery/d/361/)
・水産庁サイト(http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_keikaku/pdf/niigata_sado_manamako.pdf)
・滋賀医科大学サイト
・Molecules. 2016 May 12;21(5).
・Am J Chin Med. 2016;44(8):1663-1674.
・Mar Drugs. 2015 May; 13(5): 2909–2923.
・日本食品標準成分表2015年版(七訂)