11月14日は、1991年に国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機構(WHO)が制定し、2006年に国連により公式に認定された「世界糖尿病デー」でした。
世界糖尿病デーのキャンペーンには、青い丸をモチーフとした「ブルーサークル」が用いられます。
これは、国連や空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」をデザインしたものです。
また、2017年11月13日(月)~11月19日(日)は日本糖尿病協会が定めた「全国糖尿病週間」となっています。
●「世界糖尿病デー」とは?
世界糖尿病デーは、世界に広がる糖尿病に対する注意を喚起しようという目的で制定されました。
11月14日というのは、インスリンを発見したカナダのバンディング博士の誕生日であり、糖尿病治療のための画期的な発見に敬意を表し、この日を糖尿病デーとしたそうです。
●世界での糖尿病の現状
糖尿病は、世界の成人人口の約8.8%となる4億1,500万人が抱える疾患で、年間500万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などを原因として亡くなっています
これは、およそ6秒に一人が糖尿病に関連する病態で亡くなっている計算になり、AIDSにより亡くなる人口に匹敵する数字です。
ちなみに、2006年には10秒に一人、という計算でしたので、この9年間でさらに亡くなる方の割合が増えているということになります。
また、このまま進むと2040年には世界の糖尿病人口は6億4,200万人になると予想されており、特に発展途上国での著しい増加が問題となっています
●日本での糖尿病の現状
平成28年に発表された「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)と糖尿病の可能性を否定できないもの(糖尿病予備軍)はいずれも1,000万人と推計されており、合計で約2,000万人の糖尿病もしくは糖尿病予備軍がいると考えられており、これは全人口の15%にのぼります。
また、糖尿病は重症化することが問題であり、早期発見・早期治療が大切であると言われていますが、医療機関や健診などで「糖尿病」と言われたことのある人で「治療を受けていない」人の割合が高いことが問題となっています
特に「働き盛り」と言われる世代の40-49歳の未受診率や治療中断率は最も高く、約5割に上っています。
●実は女性の多くも糖尿病に
2017年の世界糖尿病デーのテーマは「女性と糖尿病」です。
それは、年々増え続けている女性の糖尿病に対して、正しい知識や理解を広めるために採択されました。
いまだ糖尿病に関する誤った知識を信じている方は少なくなく、「糖尿病は男性の病気である」と考える方もいるようです。
近年、女性の糖尿病患者は増え続けており、2017年現在で1億9,900万人以上に上り、2040年までに3億1,300万人に増加すると予測されています
糖尿病は女性の死因の第9位で、糖尿病を原因として亡くなる女性は年間210万人に上ります。
2型糖尿病の女性は、糖尿病でない女性に比べ、冠状動脈性心疾患(CHD)を発症する危険性が10倍高いと言われています。
また最近では、妊娠糖尿病の増加も問題とされています。
IDFによると、妊娠中に高血糖や耐糖能異常が発見された女性は、世界で2,090万人で出生数の16.2%に相当します。
そして、妊娠糖尿病を発症した女性の約半数が5-10年以内に2型糖尿病を発症しているそうです
●糖尿病の合併症を予防するために
糖尿病は、重症化するまで症状がないことが多く、治療が遅れることで合併症が出てきてしまう疾患です
その為、健診などで「糖尿病」と言われた場合は、まず医療機関を受診されることをお勧めいたします。
「野菜から先に食べる」「早食いをしない」「バランスよく食べる」「日常的な運動」「規則正しい生活」など、糖尿病の予防や改善に良いと言われる生活習慣は様々あります。
まず、毎日の生活の中で取り入れられそうなものから取り入れる意識を持つようにすることも大切です
糖尿病が進行した際に起こる合併症の多くは、血管が障害されることで起こる症状がほとんどです。
そのため、「血管を健康に保つ」ことも大切なポイントです。
以下に、血管の健康をサポートすると言われている栄養素をご紹介いたします。
糖尿病の合併症の中でも、失明の原因にもなると言われている「糖尿病網膜症」は、早期発見と適切な治療で約8割は予防できると言われています。
世界糖尿病デーや糖尿病週間をきっかけに、糖尿病の予防や治療の大切さについて、ご家族などと話し合うことができるといいですね
(あ)