2017年9月21日に平成28年国民健康・栄養調査の結果が厚生労働省より発表されました📄
今回は、国民健康・栄養調査とその結果の概要についてご紹介いたします。
国民健康・栄養調査って?
「国民健康・栄養調査」は健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とした調査です。
また、平成28年の調査は、全国の代表値に加えて地域別の健康状態や生活習慣の状況を把握するための資料を得ることも目的として調査されたようです。
結果の概要
今回の調査結果のポイントとして挙げられているのは、以下の4点でした。
・糖尿病有病者と糖尿病予備軍はいずれも約1,000万人と推計
糖尿病予備軍は、平成9年以降増加していたが、平成19年以降減少している
・体格及び生活習慣に関する状況は、都道府県の上位群と下位群で有意な差
・受動喫煙の機会は「飲食店」が最も高く4割超
「飲食店 42.2%」に次いで「遊技場 34.4%」「職場 30.9%」
・高齢者の女性における低栄養傾向の者の割合は、この10年間で有意に増加
65歳以上の高齢者の低栄養傾向(BMI≦20 kg/m2 )の割合は、男性12.8%、女性22.0%であり、この10年間でみると、女性では有意に増加している
歯・口腔内への健康の意識は高まっている?
また、今回の調査では「過去1年間に歯科検診を受けた者の割合」も調査しており、平成21年、平成24年と比較し、平成28年では有意に受診割合が増加しています。
成人男女全体での割合も50%を超え、半数以上が歯科検診を過去1年以内に受診したという結果になっています。
地域格差の結果
今回の調査では、「BMI」「野菜摂取量」「食塩摂取量」「歩数」などについて、各都道府県を上位から4つのグループに分け、それぞれの上位25%と下位25%で結果を比較しています。
この結果を見ると、BMIや健康にかかわる生活習慣に地域格差があることがわかります。
しかし、いずれかの都道府県のみが全ての項目で上位や下位群にいる、というような傾向もないようです。
例えば、BMIで一番下位は、男性「新潟県 23.1」、女性「福岡県 21.8」でした。
しかし、新潟県の男性の食塩平均摂取量は上位群に入り1日平均11.3g、歩数は全国平均より少ない下位群で1日平均7,029歩です。
福岡県の女性は、食塩の平均摂取量がやや多く上位群に入り1日平均9.5gで、歩数は全国平均より多い上位群の7,155歩でした。
それぞれの都道府県の順位は、「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」の11-15ページをご参照下さい
野菜の摂取量が減少?!
今回の国民健康・栄養調査の結果で個人的に気になったのは、野菜の摂取量が前年と比較して減少している傾向がみられたことです
H18年からの10年間で、男性は1日平均30g以上、女性も1日平均30g程度摂取量が減少しています
年齢階級別にみると、男女ともに20歳代で最も摂取量が少なく、60歳代で多い傾向があります。
「健康日本21」の目標とされている1日の目標野菜摂取量350gが摂れている割合も低く、成人男女では約3人に1人(男性33.7%、女性31.4%)しか目標量を摂取できていません。
ちなみに、20代男性は22.7%、女性に至っては18.4%でした
また、カゴメが2017年3月16日~18日に行ったインターネットを使った調査では、1日の平均野菜摂取量は132.8g(2皿程度)となり、350g(5皿)以上野菜を摂取している人は全体のたった5%という結果も出ているそうです
野菜摂取が長期的に不足すると、メタボリックシンドロームのリスクが高まることが報告されています。
また、野菜や果物を積極的に摂ることでストレスの軽減やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のリスクが軽減することも報告されています。(⇒詳しくはこちら)
サラダや温野菜、スティック野菜などは、手間も少なく、手軽に摂りやすい野菜の1品です
野菜不足を意識し、ぜひ1日1品からでも野菜のおかずを増やすようにしましょう
次回は、栄養素や各食品の摂取状況の調査結果についてご紹介させていただきます。
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