日本栄養士会は、平成28年5月度理事会で8月4日を「栄養の日」、8月1日~7日を「栄養週間」に制定し、平成29(2017)年4月5日に、一般社団法人日本記念日協会に記念日として登録しました。
その為、平成29年8月4日はこの制定を記念した第1回目の『栄養の日』でした。
目次
「栄養の日」はなぜ『8月4日』??
「7月31日栄養改善法公布」、「8月1日公益社団法人設立日」、「8月2日健康増進法公布」など、栄養、日本栄養士会に関連する記念日が多数あるこの時期に、一般生活者に親しみをもってもらうことを目的とし、制定されました。
8(エイト)と4(よん)で、「えいよう」の日としています。
ぜひ、「栄養士会」のサイトもご覧下さい
今回ご紹介した「栄養の日」のサイトには、「食事がふっと楽しくなる 栄養のはなし」というタイトルで、各分野で活躍している栄養士等からの情報や知識を公開しています。
その中から一つだけご紹介させて頂きます。
知っておきたい低栄養のこと。高齢でも筋肉を保ち元気になれる】
1.寝たきりは急に訪れない。気付かずにいると怖い「低栄養」
歳だから衰えて、食べられなくなるのは当たり前と思ってしまいがちです。しかし、高齢者であっても、1日に必要な栄養素はほとんど変わりません。
朝食はご飯と漬物だけ、という内容で済ませてしまう高齢者も多く、タンパク質不足などから筋力が落ちてしまうことがあります。
2.ロコモ(ロコモティブシンドローム*)は要介護への入り口
体力や筋力、食欲の低下を放置すると、どんどんからだが衰えていって、歩くのも辛くなってしまう、ということがあります。
そして動かないからお腹がすかなくて、ますます食べられなくなり栄養不足が進む、という負のスパイラルに陥って、最終的には寝たきりになってしまうこともあるのです。
*筋肉や関節、骨など、運動器の衰えが原因で、歩行などの日常生活に支障をきたす状態をロコモティブシンドロームといいます。
3.負のスパイラルを止めるには、エネルギーとたんぱく質が重要
食が細い方は、肉や魚、卵、大豆製品など、たんぱく質がとれるおかず(主菜)から食べたほうが良いとお勧めしています。
もし食欲が湧かないなら、少量でも栄養がとれるものを食べれば、そこで負のスパイラルを断ち切ることができます。
その際には、サプリメントや栄養機能食品の利用も一つの方法として提案しています。
4.何歳からでも筋肉は蘇る!? 歳をとったからと諦める必要はない
筋肉は1、2カ月で再生できるのですが、骨の半分が生まれ変わるには7年、関節の半分が生まれ変わるのには117年もかかると言われています。
つまり、食べて動いて、筋肉づくりを心がけることが、骨や関節を保護し、寝たきりを予防する早道です。
5.筋肉をつけることが健康に繋がる
筋肉がついていれば、よろけて転ぶリスクも減り、筋肉は水分を貯めるタンクにもなるので、脱水症状を防ぐことにもつながり、糖尿病になりにくいことも研究でわかっています。
そのための方法として、お勧めしているのは以下のポイントです。
①しっかりたんぱく質をとる
②「出来るだけ階段を使う」など、小さなことでも運動する意識を持つ
お食事について、ぜひご家族と話し合ってみて下さい
今回は高齢者に対する栄養不足の問題をご紹介いたしました。
高齢者の方は、活動量の低下だけでなく、咀嚼や嚥下に対する問題などから栄養不足に陥りやすいことが示唆されています。
低栄養になると、栄養不足による免疫力の低下を始めとし、上記に紹介したような筋肉不足などによるロコモティブシンドロームへ繋がることも懸念されます。
お盆などで帰省された際には、「栄養の日・栄養週間」をきっかけに、ご両親やご家族とお食事や栄養についてお話しされてみてはいかがでしょうか?
(あ)