「オーガニック」の規格はあるの?


最近、「オーガニック専門のお店」以外の小売店やスーパーマーケットでも「オーガニック」の商品を見るようになってきました。

「なんとなく体に良さそう」や「農薬が少ないのかな?」というイメージをもっていても、「オーガニック規格」や「有機農産物」についてはよく知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、「オーガニック食品」について、ご紹介いたします smiley


●オーガニック食品には、どんなものがあるの?

オーガニック食品は、農薬や化学肥料に頼らず、自然の力で生産された食品を表しています。
オーガニック食品として認定されているのは、大きく分けて以下の3つの生産物です。
(ヒトが直接は口にしませんが、「有機飼料」という生産物もあります)

①有機農産物
・堆肥などで土作りを行い、種まきまたは植え付け前の2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用しない
・遺伝子組み換えは行わない
・土壌の生産性を上げるような配慮を行う
・環境への負荷をできる限り低減した方法で作られる

②有機畜産物
・動物用医薬品の使用を避ける
・動物の生理学的・行動学的要求に配慮して育てた家畜・家禽から生産する
・飼料は環境に配慮して生産されたものを与える

③有機加工食品
・化学合成された食品添加物や薬剤の使用を避ける
・原材料の95%以上が有機農産物・有機畜産物・有機加工食品(水、食塩除く)

 

「オーガニック」というのは、単に「農薬を出来るだけ使わずに生産する食品」というだけでなく
本来は「環境」や「健康」、「生産性の恒常化」「社会問題の改善」なども含む、農業全体の取り組みを表しているそうです。

 

●「オーガニック」「減農薬」「無農薬」の違いは?

「有機」や「オーガニック」などの表示が出来るのは、有機JAS規格で認定を受けたものだけと決められています。

その為、現在の「JAS規格」においては、「減農薬」「無農薬」さらには「減化学肥料」「無化学肥料」という表示を禁止しています。

それは、私たち消費者が「一切の残留農薬などを含まない」という間違ったイメージを持ってしまうことを防ぐためだそうです point_up

化学肥料や節減対象農薬を減らして作られた農産物は「特別栽培農作物」と表示するように決められています。

ちなみに、「特別栽培農作物」と表示するには、その農産物が生産された地域の慣行レベルに比べて、
・節減対象農薬の使用回数が50%以下
・化学肥料の窒素成分量が50%以下
以上の条件を満たし、栽培された農産物でなくてはいけないそうです。

●オーガニックとナチュラルの違いは?

「オーガニックフーズ」や「ナチュラル系フード」など、自然派のお店には一緒に並べてあるイメージがありますが、違うものとして考えられています。

「オーガニック(有機)」は、農林水産省で定められた規格があり、その範疇で生産されたものですが、

「ナチュラル」は、自然物や天然物そのものを意味し、人為的管理下で生産された「オーガニック食品」と分けて考えられます。

例えば、「オーガニック規格」をもとに生産された栗は「オーガニック農産物」ですが、野山などで自然に生り、収穫されたものは「ナチュラルフード」と言えます。
他にも、マグロなどの海産物で回遊しているものを捕獲したものは「天然もの(ナチュラル)」と表記されますが、「オーガニック」とは言いません

 

●オーガニックの方がいいの?

食品には、「物理危害(異物など)」「生物的危害(食中毒など)」「化学的危害(農薬や重金属など)」の3つの危害要因があり、それが一定以上に抑えられているものを「安全な食品」として販売できます。

食品衛生法では、「物理危害」「生物的危害」に対する安全性は定められていますので、オーガニックと大きな違いはありません。
ただ、「化学的危害」に関しては、オーガニック食品は明確に安全性が異なります。

オーガニックは、田畑で使う資材をはじめ、加工食品の添加物についても、可能な限り化学的なものを排除していますから、化学的危害リスクは一般の食品に比べて極めて低くなっていると考えられます。
ただし、「オーガニック」だから化学物質不検出を保証するものではありません。
あくまでも、「一般的な食品よりはリスクが少ない」という風に認識して下さい。

一方で、「安全でも、高いと続けられない。毎日のことだし…。」といった意見もあります。

化学的危害に関するリスクへの考え方や対策は人それぞれだと思います。

例えば、せっかくオーガニックの野菜を買っても、化学調味料の含まれる調味料で味付けを行ったら…と考えると、農産物だけでなく、加工品や畜産物にまで気をつけなくてはいけなくなります sweat_drops

お勧めは、旬の食材を取り入れた食卓を心掛け(旬のものは、生育が早いため、余分な肥料や農薬を使用することが少ないと言われています)、
加工食品や中食でのお弁当、総菜などを減らすことで、それだけでも摂取できる栄養素や化学的危害のリスクは変わってくると思います sparkles

もちろん、最近はオーガニックの商品が手に入りやすくなっていますので、試しに買ってみる、というのも良いかと思います。

普段買っている野菜や果物と、味や香りが違うか食べ比べてみるのも良いかもしれないですね blush

 

(あ)

農林水産省 有機食品について (http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会 (http://www.jona-japan.org/qa/
農林水産省 特別栽培農産物表示ガイドライン (http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_pamph_a.pdf

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