今の時期、鍋料理に大活躍する野菜の春菊は不足しがちな栄養素がバッチリ補える食材です
今回は、そんな今が旬の「春菊」についてご紹介します
●特徴
地中海沿岸が原産で、春に黄色の花を咲かせるため春菊という名前が付けられたと言われています
日本へは、室町時代に中国経由で渡来し、江戸時代から栽培が始まりました
中国では漢方薬として使用されていますが、欧米では菊の香りがあまり好まれないことから観賞用の植物として栽培されているようです。
関西では「菊菜」の呼び名で親しまれています
栄養価が高い緑黄色野菜であり、ベータカロテンの含有量が多く、その他、ビタミンB2、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維など日本人が不足しがちな栄養素が豊富に含まれています
独特な香りはα-ピネン、ペリルアルデヒドなどの精油成分によるもので、発汗作用、消化促進作用が期待されます。
アク成分であるシュウ酸が少なめなので下茹での必要がなく、鍋には生で入れることができます。
●調理と組み合わせ
豊富に含まれるベータカロテンやビタミンEは脂溶性ビタミンであり、油脂と一緒に摂ることで吸収率がアップします
そのため、もし、しゃぶしゃぶの具材に用いる場合には、ごまダレがお勧めです
また、抗酸化物質は様々な種類と一緒に摂ると体内での働きがより良くなると言われていますが、春菊にはビタミンCが少なめであるため、ビタミンCが豊富な柑橘類とサラダにして食するのも良いでしょう
●選び方
茎は細く短めで柔らかく、葉は色が濃くみずみずしく密生しているものが良品です。
また、香りが強く、切り口が新しいものが新鮮です。
●保存方法
葉先を乾燥させないように新聞紙で包み、ポリ袋に入れてから冷蔵庫の野菜室に入れることで比較的長持ちします。
余ってしまった場合には、固めにゆでて冷凍保存も可能です
春菊と言えば鍋料理ですが、その他にも和え物、おひたし、天ぷら、サラダ、ペーストなど様々な料理にも使うことができます
香りが独特で味に特徴があるため苦手な方も多いと思いますが、ご自分に合った料理法を見つけて是非味わってみてください
(さ)
<参考>
・春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養辞典 (吉田企世子:監修)
・からだにおいしい野菜の便利帳(板木利隆:監修)
・日本食品標準成分表2015年版(七訂)
・独立行政法人 農畜産業振興機構サイト
http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/1501/yasai1.html
https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000654.html
・女子栄養大学サイト(http://co-4gun.eiyo.ac.jp/food%20database/3gun/foods-dic-3-shungiku.html)