体内で様々な働きをする亜鉛ですが、日本人の成人では多くの人が推奨量を摂ることができていません
そのため、気づかないうちに亜鉛不足の症状で悩んでいる人もいらっしゃるかもしれません
今回は、「亜鉛とはどんな栄養素なのか?」を簡単にまとめます
●亜鉛はどんな栄養素?
人が健康を維持、増進するために必要な必須微量ミネラルのひとつです
全身の細胞に存在し、体内の様々な働きに関わっています。
<亜鉛の主な働き>
・酵素の校正や酵素反応の活性化
・DNAの合成
・タンパク質の合成
・ホルモンの合成や分泌の調節
・細胞分裂
・免疫応答の調節
●亜鉛の不足によって起こる症状
菜食主義者(ベジタリアン)、妊婦・授乳婦、肝臓・腎臓に疾患のある方、消化器手術や消化器疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、短腸症候群など)の場合などは不足しやすく、糖尿病と亜鉛不足は深く関連していると言われています。
亜鉛の不足によって起こる症状には以下のようなものがあります
【皮膚・粘膜】
・食べ物の味がよく分からない、濃い味を好む
・ニキビ、肌荒れ
・傷の治りが遅い
・夕方以降に急に目が見えにくい
・抜け毛、毛がパサつく
【消化器】
・食欲がない
・慢性的な下痢
【妊婦・子供】
・胎児の奇形
・発育不全、成長障害
・2次性徴(性的な発達)の遅れ
【生殖器】
・精力減退、勃起不全(ED)
・精子数の減少
【その他】
・風邪をひきやすい
・だるい、無気力
・骨粗鬆症
・貧血
●亜鉛はどのくらい摂ったらいいの?
厚生労働省が定める亜鉛の1日の推奨量と亜鉛を多く含む食品の亜鉛含有量は以下の通りです
※推奨量とは、この程度摂取していれば不足のリスクがほとんどないと考えられる量です。
※妊婦は+2㎎。 授乳婦は+3㎎。
※亜鉛不足の場合には、推奨量よりも多くの亜鉛が必要となることがある。
<亜鉛を多く含む食品の亜鉛含有量>
・牡蠣(生):大1個 約20g …2.6㎎
・凍り豆腐(乾):1個 約15g …0.8㎎
・卵黄(生):1個 約20g …0.8㎎
・豚レバー(生):1切れ 約10g …0.7㎎
・たらこ(生):おにぎり1個分 約10g …0.3㎎
※クエン酸、ビタミンC、動物性タンパク質を一緒に摂ると亜鉛の吸収が良くなります。
上記にあげている食品は、梅干し、酢、レモン、肉、魚などと組み合わせて摂るのがお勧めです
普通に食事を摂っている人の場合でも亜鉛を十分に摂ることは難しいため、特に亜鉛の不足が起こりやすい人はサプリメントなどで補うのも良いと思います
(さ)
<参考>
・平成27年「国民健康・栄養調査」の結果
・厚生労働省『「統合医療」に関わる情報発信等推進事業』「統合医療」情報発信サイト
・メルクマニュアル
・日本人の食事摂取基準2015年版
・日本食品標準成分表2015年版(7訂)
・第3版 楽しい調理-基礎と実習-(医歯薬出版㈱)
・簡単!栄養andカロリー計算サイト