筋肉をつけるために筋力トレーニングをしてプロテイン(タンパク質)を摂っている方が多いですね
しかし、プロテインと言ってもその内容(アミノ酸組成)は種類によって異なり、筋肉への影響も異なるようです
今回は、「筋力トレーニングをする時にお勧めなタンパク質の種類」についてまとめている論文をご紹介します
●筋肉を作るのに最良なタンパク質
「レジスタンス運動(筋力トレーニング)と組合せて摂取するタンパク質が、どのように筋肉量や強度の向上に影響するか」についてまとめたカナダにあるマックマスター大学からのレビュー論文です
【目的】
レジスタンス運動をするときにタンパク質を補給することは骨格筋を肥大させるために重要であり、今まではタンパク質の摂取量や摂取タイミングについて研究されることが多く、タンパク質の質についてはあまり注目されていなかった。
タンパク質の質を考える場合には、プロテインスコアやアミノ酸スコアが参考にされるが、タンパク質は消化されないと吸収できないことから、最近ではタンパク質消化率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)や消化性必須アミノ酸スコア(DIAAS)という基準が提唱されている。
そして、タンパク質の質の差は、レジスタンス運動とタンパク質摂取における筋肉タンパク質の合成に影響を与えることが考えられる。
そこで、レジスタンス運動中の筋肉量および筋力や体組成の変化に対する補給タンパク質の質の影響についてまとめる。
【方法】
レジスタンス運動とタンパク質の質について研究している論文をまとめた文献レビュー。
【結果】
・ロイシンは筋肉タンパク質合成を刺激するアミノ酸であり、筋肥大の重要な要因である可能性が高い。
・乳清タンパク質はロイシンの含有量が多く、大豆、エンドウ豆、または米などの他のタンパク質源よりも高質と評価されている。
・高齢者の筋肉タンパク質合成を促すためには、運動とタンパク質補給が重要であり、ロイシンを多く含む高質なタンパク質を用いればより少ない量で効果が現れやすいと示唆されている。
【まとめ】
乳清(ホエイ)などのロイシンを多く含むタンパク質源が、筋肉タンパク質合成や筋肉の成長においても最も強力な決定因子である可能性がある。
<論文要旨>
http://nutritionandmetabolism.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12986-016-0124-8
運動後に摂るためのプロテインドリンクやプロテインバーなどは様々な種類がありますが、筋肉量を増やすには乳清(ホエイ)が原料になっている物を選ぶのが良さそうですね
また、胃腸の状態が良くない場合には、いくら良いタンパク質をとっても消化されず、吸収できないこともあります
胃腸の状態が良くない人は、まずはアミノ酸の形でタンパク質を補い、調子が良くなってきたらタンパク質(プロテイン)に変更するのも良いかもしれません。
さらに、摂ったタンパク質(アミノ酸)を体内で利用するためには様々なビタミンやミネラルも必要になります
そのため、普段の食事では肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに加えて野菜、果物、海草類などビタミンやミネラルを豊富に含む食材を色々摂ってバランスを良くしたいものです
なお、不足しがちなビタミン、ミネラルが高配合されているマルチビタミン・ミネラルを摂るのもひとつの手です
(さ)
<参考>
・リンク・デ・ダイエット(http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=57103&-lay=lay&-Find)