疲労、肌荒れ、口内炎、貧血などを改善する目的でビタミンB群が配合されているサプリメントや医薬品を摂っている方が多いですね
また、お問い合せでは「ビタミンB6やナイアシン単体のサプリメントはありますか 」といったご質問をいただく事もあります。
しかし、ビタミンB群はチームで働くため、摂る種類が少ないと体内での働きが良くないと考えらえています
今回は、「ビタミンB群の力」と題して、ビタミンB群について簡単にまとめます
●ビタミンB群の力
ビタミンB群とは、「B1」、「B2」、「ナイアシン(B3)」、「パントテン酸(B5)」、「B6」、「ビオチン(B7)」、「葉酸(B9)」、「B12」の8種類を指します。
また、コリンやイノシトールはビタミンではありませんが、体内ではビタミンのような働きをするためビタミン様物質と呼ばれ、ビタミンB群に分類されます
ビタミンB群は、私たちの体内で酵素の働きを助け、タンパク質、糖質、脂質の代謝など様々な生命活動に関わっています。
そのため、不足によって様々な不調をきたしてしまいます
<ビタミンB群の不足による症状>
◆身体症状
・口内炎、口角炎、舌炎
・皮膚炎
・抜け毛
・筋肉痛
・貧血 など
◆精神症状
・疲労感
・イライラ
・記憶力や認知力の低下
・うつ
・食欲不振 など
◆その他
・成長障害
・胎児の神経管欠損 など
●ビタミンB群の不足
平成26年に行われた国民健康・栄養調査の結果から、多くの日本人で様々なビタミンB群の摂取量が不足していることが分かります。
特に、成人男性ではB1、B2、B6が、成人女性ではB1とB6がすべての年代で摂取量が推奨量を満たしていません
また、栄養素が最も不足しているのは30歳代女性でした。
※推奨量とは、ほとんどの人が必要量を満たす量。
※目安量とは、特定の集団において不足状態を示す人がほとんどいない量。
※ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、B12は推奨量を、パントテン酸は目安量を基準として充足割合を計算。
※ビオチンの摂取量は調査されていない。
※ビタミンB12の充足割合が大きいのは、焼き海苔、魚介類、肉類、乳製品、卵類などビタミンB12を多く含む食品の摂取量が多いためだと考えられます。
ビタミンB12の摂り過ぎによる過剰症の心配はなく、日本人がビタミンB12を補給することは問題ないと考えられます。
推奨量を満たしていても、残念ながらその栄養素が不足している可能性のある方はいらっしゃいます
可能であれば、上限量に気を付けながら推奨量以上補給できるといいですね
また、ビタミンB群は、マグネシウムや鉄、亜鉛などの他の栄養素とも関わり合いながら体内で働きます。
もしサプリメントでビタミンB群を補給する場合には、ビタミンB群は単体で摂るよりもB群としてまとめて、また、できればその他のビタミン、ミネラルも一緒に摂れるマルチビタミン・ミネラルなどの形で補給するのがお勧めです
(さ)
<参考>
・国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
・厚生労働省 平成26年「国民健康・栄養調査」の結果
・日本人の食事摂取基準 2015年版
・メルクマニュアル18版 日本語版