ヘルシーパス本社がある静岡県は、緑茶の消費量が日本一です
静岡では緑茶を飲むことは一般的であり、社内でも緑茶を好んで飲んでいる人が多い印象です
緑茶にはビタミンC、カテキン、カフェインなど様々な有効成分が含まれており、健康に良いとされていますが、もしかすると緑茶を多く摂取することは認知症予防につながるかもしれません
今回は「緑茶の摂取量と認知症」について調べている論文をご紹介します
●1日5杯の緑茶で認知症予防
「緑茶の摂取量が多い人は認知症になりにくい可能性がある」という内容の、日本にある東北大学の研究者らによる研究報告です
【目的】
お茶は世界中で広く飲まれている飲料であり、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの種類がある。
欧米では紅茶が好まれているが、日本やそのほかのアジアの国々では一般的に緑茶を飲むことが多い。
最近の研究では、緑茶の特定の成分が認知力を保護する効果があると示されている。
しかし、ヒトでの疫学研究はあまり行われていないため、緑茶の摂取量が与える認知症発症率に対する影響は確認されていない。
そこで、緑茶の摂取量と認知症発症との関連を調べる。
【対象】
宮城県の大崎市に住む65歳以上(平均年齢73.8歳)の男性6,030名と女性7,615名の合計13,645名。
【方法】
5.7年間追跡した前向きコホート研究。
アンケートを利用して、お茶(緑茶、ウーロン茶、紅茶)の摂取量、疾患や飲酒、喫煙の状況、運動機能スコア、認知症機能スコアなどを調べた。
※緑茶1杯は100mlとして計算
【結果】
・認知症発症率は8.7%であった。
・緑茶の摂取量が少ない人と比較して摂取量が多い人は、男性が少なく、喫煙や飲酒者が少なく、緑黄色野菜や果物の摂取量が多かった。
・1日に5杯以上緑茶を飲む人は1杯未満の人と比較して27%も認知症発症リスクが低かった。
・緑茶の摂取量と認知症リスクは逆相関の関係にあったが、ウーロン茶や紅茶ではみられなかった。
【まとめ】
緑茶の摂取量が多いと認知症発症リスクが低下する可能性がある。
<論文>
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1064748116301774
普段飲んでいる飲み物で認知症対策になるなんて嬉しいですね
以前、カフェイン摂取と認知症についての論文をまとめたことがあります。
⇒【論文紹介】女性はカフェインで認知症対策
もしかすると、緑茶に含まれるカフェインとその他の有用成分が効いているかもしれないですね
また緑茶には、高齢者のめまい(起立性低血圧)の予防、膀胱がん、食道がん、卵巣がん、すい臓がんの予防、脂質異常症対策など様々な有効性が認められています
カフェインが苦手で、緑茶を飲むと眠れなくなったり頻尿になるなど緑茶があまり飲めない方には無理にお勧めしませんが、飲める方は、食後やおやつの一服に緑茶がお勧めです
(さ)