ミネラルウォーターやジュースなどのパッケージで、「天然水」や「純水」といった表記を見かけることがあります
同じ水でもそれぞれ異なる物ですが、皆さん違いをご存知でしょうか
今回は、「天然水と純水の違い」についてまとめたいと思います
●天然水とは?
天然水とはナチュラルウォーターのことです。
「天然水=ミネラルウォーター」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、イコールではなくミネラルウォーターの分類の中にナチュラルウォーターがあります
日本でのミネラルウォーターの分類は以下の通りです
①ナチュラルウォター
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿・濾過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。
②ナチュラルミネラルウォーター
特定の水源より採水された地下水のうち、地下で備蓄または移動中に、地層中の無機塩類が溶解した地下水であり、天然の二酸化炭素が溶解して発泡性を有するものを含む。
また、沈殿・濾過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。
③ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターと同様の原水であるが、品質を安定させるために、沈殿・濾過・加熱殺菌以外にミネラルの調整、曝気、複数の水源から採取した原水の混合などの処理が行われているもの。
④ボトルドウォター
地下水以外の原水(河川の表流水・水道水・蒸留水・純水 等)を使用したもので、水道法の基準で飲用適である水。
ミネラルが添加されているものもある。
●純水とは?
ピュアウォーターとも言い、ボトルドウォーターにも分類されます。
純水は水に含まれる無機物(ミネラル類など)、有機物(植物セルロースが腐敗してできた中間や農薬環境ホルモンなど)、微粒子(ケイ素や鉄さびなどの固形物)、細菌(バクテリア、藻類、真菌類など)の不純物が除去されている純度の高い水です。
不純物を取り除く方法により、脱塩水(イオン交換樹脂などにより塩類を除去した水)、RO水(逆浸透膜を通した水)、蒸留水(水蒸気を冷やして液体にした水)などと呼ばれ、臨床検査や実験などに使用されています
物を溶かす力が強いため、洗浄やお茶などの抽出に向いていると言われています
しかし、純水をそのまま飲むことは体内のミネラル分も溶けださせてしまうという考えから、ミネラル不足を心配する人もいます
ミネラルウォーターは必ずしも天然水ではないということに驚きました
水を購入するときはパッケージをよく見て天然水を選ぼうと思います
また、最近のスーパーでは、ボトルを購入すれば無料で純水を入れられるシステムが浸透しているため、いつも家に純水がある家庭も多いかもしれないですね
現代人はもともと食事からのミネラル摂取も不足していると言われているため、念のため純水をそのまま飲むことは避けた方が良いと思います。
スーパーでもらった純水は、洗車、掃除、お茶や出汁の抽出に使うのがお勧めです
(さ)
<参考>
・学術情報発信システムSUCRA サイト
・食品安全委員会 サイト(http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20060217ka1&fileId=112)
・サントリー㈱サイト
・http://www.suntory.co.jp/water/tennensui/source/index.html
・http://www.suntory.co.jp/eco/teigen/jiten/drink/dr_07_01.html
・生物試料分析 Vol. 38, No 5 (2015) 検査で使う純水の基礎知識と純水装置のポイント
・オルガノ株式会社 サイト(http://purewater.organo.co.jp/)