成長ホルモン、性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン…
私たちの体の中で働いているホルモンはたくさんあります
皆さんは、そもそもホルモンとは何かご存知でしょうか
今回は「ホルモンとは何か」について簡単にまとめたいと思います
●ホルモンって何?
『ホルモン』という言葉はギリシャ語の「hormaein(活性を呼び起こす)」に由来します。
神経伝達物質やサイトカイン、内分泌腺より血液中に分泌されて他の臓器に作用する物質など、生体内の情報伝達物質は全てホルモンです。
ホルモンは標的となる細胞の特異的なホルモン受容体に結合して作用を発揮しますが、その受容体は細胞膜受容体と細胞内受容体に分けられ、リン酸化やイオンチャネル、遺伝子発現などが調節されます。
また、ホルモンはいつも一定のスピードで分泌されているわけではなく、種類によって間欠的や周期的など日内変動を起こします。
●ホルモンの種類
ホルモンはその化学構造から以下の4つのグループに分類されます
①ペプチド・タンパク質
長いアミノ酸鎖からなる、水溶性のホルモン。
甲状腺ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、成長ホルモン、インスリン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンなど多くのホルモンがペプチドまたはタンパク質ホルモンである。
②ステロイドホルモン
コレステロールを基にして作られるステロール核を持つ脂溶性のホルモン。
副腎皮質ホルモン、性ホルモン、活性型ビタミンDなどが含まれる。
③アミン・アミノ酸
チロシンやトリプトファンなどのアミノ酸を基に作られるホルモン。
甲状腺ホルモン、カテコラミン、メラトニンなどが含まれる。
④エイコサノイド
オメガ6系脂肪酸のアラキドン酸の代謝物。
プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどが含まれる。
さらに最近では、一酸化窒素(NO)などもホルモンのような情報伝達物質として働いていることが分かってきています
今までのブログで、ホルモンに関する内容を何度が取り上げています
・一酸化窒素(NO)の効果
・男性ホルモンの働き
・空腹ホルモン「グレリン」
・月経周期と体の変化
・2型糖尿病とインクレチン
・レプチンについて
しかし、一口に「ホルモン」と言っても、それぞれのホルモンの働きは複雑であり、また相互に関係している場合もあるため、個々の働きを今回のブログで詳細にまとめるのは大変です
今後、個々のホルモンに着目した内容のブログも書こうと思いますので、楽しみにしていてください
また、何かまとめてほしいものがありましたらリクエストも受け付けてますよ
是非コメントにご要望をお書きください
※焼き肉などで食べる「ホルモン」と、私たちの体の中で働く「ホルモン」は別物です。
お肉のホルモンは「放るもん(捨てるもの)」が由来であるとか「栄養豊富な内臓を食べると、活力がつく」として体内で働くホルモンを由来にしたなど諸説言われています
(さ)
<参考>
・ダイナミックメディシン3 カラー版 (西村書)
・イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書29版
・福岡大学 理学部サイト(http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/hormone.htm)
・大学病院医療情報ネットワーク サイト(http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/7endcrinetxt.pdf)
・ウィキペディア(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E7%84%BC%E3%81%8D)