体に良いからと入浴剤や水などで「水素」を取り入れている方が増えていますね 
しかし、そもそも水素を体に取り入れることでどんなメリットがあるのかご存知でしょうか
そこで今回は「水素の効果」について簡単にまとめたいと思います 
●水素とは
原子番号 1 の元素で元素記号は H です。
通常、原子が2つ結びついた水素分子（H2）の形で存在しています。
無色、無臭で、地球上最も軽い気体であり、水（H2O）などのように他の元素との化合物として地球上に大量に存在しています
工業原料としても使われており、例えば、石油精製の際に原油に含まれる硫黄分を除去したり、樹脂生成プロセスにおける還元剤など他にもさまざまな用途で使用されているようです。
●水素の効果
水素を摂取することで期待されるのは「活性酸素対策」です 
体を動かすために必要なエネルギー（ATP）を作り出す器官はミトコンドリアですが、このATPはミトコンドリア内の電子伝達系において酸素を利用（還元）して作られています。
しかし、酸素の還元が不十分な場合には細胞を傷つける反応性の高い活性酸素（スーパーオキシドアニオンラジカル：•O2̄ ）が発生してしまいます。
そしてスーパーオキシドアニオンラジカルは、スーパーオキシドディスムターゼ（SOD）という酵素によって過酸化水素（H2O2）となり、さらにフェントン反応によって活性酸素の中で非常に反応性が高いヒドロキシルラジカル(•OH)を生成します
もし水素があると、このヒドロキシラジカルと反応して水を作り出し、活性酸素の害を抑えることができるのです
＜水素伝達系における水素の役割＞
実際にパーキンソン病モデルマウスに水素水を与えた試験においては、水素水の摂取によって神経細胞内で産生される活性酸素のうちスーパーオキシドアニオンラジカル（•O2̄ ）が減少する傾向にあり、ヒドロキシルラジカル（•OH）による脂質過酸化は顕著な抑制作用を示したという結果もあります。
ペットボトルでは水素は中から外に出てしまうためアルミ缶やアルミパウチに入っているものが良く、マイナス水素イオン（あるいはヒドリドイオン）や活性水素（あるいは原子状水素）は生物が存在しえない特殊な状況下では存在することもありますが、生体内では存在しえないものなので、そういったことを謳っている商品は疑った方が良いかもしれませんね 
ちなみに、水素水を飲用した場合や、水素含有の入浴剤などで直接水素ガスを吸入した場合に、水素が人体のどの部分から細胞に取り込まれてどのルートを通過して体内から排出されるかはまだよく分かっていないようです。
水素は目に見えず開封したらどんどん外に出ていって無くなってしまうため、体内にしっかりと取り入れるのは難しいかもしれないですね
また、活性酸素対策は水素だけではありません
本当にしっかりと水素が入っているかどうか分からないものをあえて摂取しなくても、ビタミンCやビタミンE、ベータカロテン、ポリフェノールなど普段の食事で取り入れやすいものがたくさんあります
やはり、活性酸素発生の原因となるストレスをためない、十分なビタミン、ミネラルなどを摂取するために旬の栄養価の高い食材を食べるなどが重要になってきますね 
（さ）
＜参考＞
・独立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構のHP
・抗酸化物質としての水素分子：”水素医学”の期待と展望（http://www1.gifu-u.ac.jp/~physiol/Pathophysiology/20satellite.pdf）
・イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書29版
・ストライヤ－ 生化学 第6版
・日本医科大学のHP
